2012年2月26日日曜日

練習場より 2012.02.26 - 大切なことはひとつだけ? guilty or not?

ヘッドの動きについて意識を始めると、恐らく大切な幾つもの事がおろそかになったのだろう。思った通りの弾道が出ず、スイングが狂った。おかしいのに、もう昔の自分には戻れない。

他の全てが手に付かず、その点にしか意識が行かなくなる。それしか考えられなくなる。左肩の動き、腰の止め、幾つもの大切なスイングの要素が失われ、ただヘッドの軌道だけから構築したスイングになろうとする。人は単純化を目指すものだから、ただひとつ以外の注目点など忘れてしまいたいのだ。どうやら大切な事はひとつだけと思い込んでいるらしい。

そして全てを失ってしまうのだ。まるで其れは恋のようなものだ。如何にしてスコアで勝つかという所には大切な事はひとつしかない。しっかりと打つ。それだけ。それだけに集中する。

打つこと、は練習場で仕上げたのだから、コースでは集中だけすればよい。と思っていた矢先にこれだ。練習場でスイングが全て崩れてしまった。

まるでホストに身を焦がし夜の世界に溺れてゆく女性のようではないか。1 アイアンで 270 ヤード飛ばす人がいる。そんな話を聞いて正気でいられる訳がない。とたん、スイングは全身全霊を込めたスーパーショットに変身しようとする。物理学も力学も生理学も全て失われ、筋力でパワーを与えれば飛ぶという宗教の信者に変貌する。お前はプロレスラーのつもりか、と言いたくなる様なスイングである。

何ヶ月もかかって組み立てた全てがボロボロになってゆく。崩れ去ってゆく。こんなはずじゃなかったというセリフは確か LAW AND ORDER の被告人の言葉であったか。

Members of the jury, have you reached a verdict?

Yes. Your Honor.

We find the defendant

Guilty.

明日、私は被告人としてコースに臨みます。

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