ワニや猫のような四足動物では、肩甲骨は体の側面に付く。
樹上生活のために腕の発達した猿では、体の両側に肩がつき、肩甲骨は背中側にある。これは樹上生活に対応したもので、腕の可動範囲を増やすための進化であろう。木の上から地上に降りた人間も、この構造は受け継いでいる。
二足で立つ姿勢は、人間に腰痛と肩こりを起こす要因となったが、それを進化論だけのせいにするわけにはいかない。正しい姿勢をしなければ、疲労やコリを起こすのは当然だと思われる。可動範囲という自由が、さらにそのような状況を生むことを促進するだろう。
だから、肩をどこに置くは重要である。これを間違えると、肩こりに悩まされるからである。
ラジオ体操第一の伸びの運動で、腕を高く上げた後に、横にそのまま卸す。これが肩のノーマルなポジションと思われる。
所が、最近の人間は生活様式の劇的な変貌から多く腕を前で使う。これが自然と肩を前側に押す力となる。これが肩こりの更なる原因のひとつになったと思うのである。
肩を前ですぼめるように配置するのは、運動する体勢としても正しくないように思う。
ボクシングなどではガードを固めるために腕を前に置く。そのような特殊な場合を除けば、野球でも野手の構えは、グローブを前に出し過ぎるのは正しいとは思えない。下、横、上などとあらゆる方向を前提とするなら、腕を前に出し過ぎない方が自由になると思う。
ゴルフも腕は右上から左に移動する。この動きで、肩が前気味にあると、両側への移動を妨げる。
それは自然と肘を引くような形で動かさなければならなくなる。これがスイングに影響を与えないはずがない。肘を引く動きの欠点は、可動域がわりかし小さいという点である。肘を動かすとあっという間に可動域の限界点に達する。それはゴルフスイングの可動域よりも小さい。
肘を引いても移動距離が短く直ぐに停止点で止まってしまう。肘が止まれば、その後はスイング軌道の邪魔になる。
そうしないためにはどうすべきか。
肩関節を体の両側におく、両肩の上に乗せておくように意識し、横から出すようにイメージする。その位置から腕を前に出してクラブを持つように意識するのが良さそうである。
肩を体の前ではなく両側に構える。両肩を前ですぼめるのではなく、胸は開けたままで構える。腕を前で組むために、前傾姿勢が必要となるこれが由縁である。
こうすることで肘を引く動きを抑制でき、体の近くでスイングできる。そういう強制を肩の位置で強いるのである。
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