2012年2月23日木曜日

練習場より 2012.02.23 - クラブの軌跡

前も書いたが、ゴルフクラブというのは長いシャフトの先に重心をずらしてヘッドを取り付けている。そのためゴルフクラブは二つの重心が複合して存在する、それらはヘッドの重心とシャフトの重心である。

物理的な運動では、二つ以上の異なる位置に重心がある時、この二つが最短距離となるのが効率的である。いや言い方が違うか、複数の異なる重心がある時、自然はこれを最短距離にする。

何故自然がそうなるかと言えば、引っ張る力というのは最短の距離であろうとするからだ。それがもっとも力を使わなくて済むからだ。ただこの最短というのは状況により異なるし、異なるように出来るものである。自転車のブレーキはワイヤーで手元と結ばれているが、これを納めるケース(鞘)がある。このケースがないとワイヤーはブレーキに力を伝えられない。何故ならブレーキとブレーキレバーの間が直線で結ばれていないからである。鞘によって力の伝わる向きを一方向にすることで、ワイヤーが曲がっていても直線で結んだように力を伝えられるのである。

うちわというものがある。これは風の抵抗を受けた場合、それを最大限に押し返す働きをする。そうなるように押し返す方向と受け流す方向を持っている。うちわの目的からいえば最大限の抵抗を生み出すようにうちわの面は進行方向に対して垂直である。

ゴルフクラブも同様で単に直線的、つまり、一次方程式で示される運動であれば重心は最短距離でよい。しかしトップ位置からボールに当たるまでクラブは直線に運動しない。(X,Y,Z) の 3 つの座標 (3次元) で構成された軌跡を辿る。ゴルフクラブという物理的な運動物体は、場合々々によりその効率的な軌跡は通る。つまり最適な軌道は一つだけとは言えない。

スイングプレーンを円というが、シャフトの動きだけを見ても単純な真円ではない。そこでスイングプレーンはどんな形になるだろうかと聞かれれば、それはクラブに聞けである。

トップの位置からクラブヘッドのフェースの角度は次第に変化してゆくものである。最初は重力方向に動きながらボールの位置まで動く。重力に対するフェース角だけでなく、体の正面を向いていた角度もボールに当たる時には打ち出し方面に変わる。このような複雑な動きが滑らかであるためには、クラブの重心からの影響は無視できない。この軌跡を動く中で最大限の力を与えようとする人間側からの働きかけが更に加わるのである。いずれにしろ、クラブの動く方向というものがある。

だが、それはクラブに聞けというしかない。

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