これらはいずれも距離である。距離は同じでも方向が違うから3次元である。方向とはもちろんベクトルの事であるから、3次元の運動は、いずれもベクトルの合成として考えることが出来る。逆に言えば、3次元は3つの方向に分解することができる。これはベクトルが足したり掛けたりできる演算だからである。
物理学では距離と時間は同値と考える。距離=速度×時間であるから、距離と時間は置き換え可能である。全ての距離を時間×速度に置き換えても良いし、時間を距離÷速度に置き換えても良い。なお速度を微分すれば加速度である。
相対的に速度は加算できる。すれ違った 300km/h の新幹線の速度差は 600km/h である。すれ違った新幹線に乗っている人には相手が 600km/h で走っているように感じられるのである。
しかし、光速新幹線ですれ違ったらそうは見えない。相手が c (2c ではない)で飛んでいるように見える。実際にはすれ違った瞬間の光がずっとついてくるので、すれ違った後の姿は見えないのではないだろうか。その光が減衰し、次第におぼろげに見えるのかも知れない。
お互いの位置を観測すれば、それぞれ同じ時間が経過した時には、同じ距離だけ離れているはずである。すると、A は c ,B は -c の位置に到達している。よって C から見れば、両者の速度差を計算すれば 2c となる(たぶん)。
もちろん厳密に言えば、光速の時、時間は 0 で進む(または距離が無限大)から、観測は不可能だと思う。光速で飛べば(それだけのエネルギーのある空間にいれば)、他の空間とは時間の進み方が変わる。時間の進み方が変われば観測結果も変わる。まるで温度が下がるほど粒子の振動数が0に近づくように時間の進み方も遅くなる。果たして絶対零度にある粒子は時間が経過しているのであろうか。
さて、4次元は3次元に時間を加えた時空という概念であるが、4次元を3つの空間とひとつの時間ではなく、4つの時間、または4つの距離と考える事も可能であろう。
では4つめの時間(距離)は何か、という話である。
概念だけなら4つの距離として4次元の説明は可能なはずである。だが4つ目の距離をどの方向のベクトルかと想像するのは難しい。我々の世界からは見えない4つめの方向がある、と考えられるからである。この世界では4つめの方向を目視できない。目に見えるものを距離、見えないものを時間と呼んでいるようである。
3次元の住人が2次元の住人と通信した時、3次元の物体を MRI の輪切り画像を2次元に送り付ければ、3次元の情報を伝える事ができる。しかし、2次元の住人はそれを重ねる事が出来ないから、平面に並べて眺めるしかない。これはレントゲン写真を横に何枚も貼り付けて見ている医者と同じである。
医者はそれらの情報から体の中で何が起きてるかを脳の中で立体視できるが、2次元の住人に立体視は無理そうである。もちろん、彼らは3次元の概念を知らないのだから理解できない、という結論はあり得ない。
2次元の住人の脳の中に3次元を構築する能力はなくても、並べた画像をアニメーションのように順番に流せば、それを時間変位における変化量として高さを捉える事が出来る。こうすれば、2次元の人でも3次元の高さを処理する事はできそうである。もちろん、2次元で時間が流れているのなら、それは3次元ではないか、という疑問もないではないが、その辺りは専門家の領分である。
またこうも考えられる。2次元の人が時間当たりの高さの変化を横軸に取れば、高さの変化を2次元だけで、つまりグラフで表現できそうである。この時、横の情報は欠落するが、3次元の高さを縦の位置と関連させて理解する事はできるであろう。
この話を援用すれば、4次元の時間(距離)も、3次元で表現することは可能と思える。ガウス平面みたいなものだろうか。
と、ここまで書いてきたが、もちろんこれらの話にはたくさんの誤りがある。信頼しないように。そもそも間違わない事は神の専権事項である。
さて、3次元空間の話である。元来ゴルフの話であるから、光速などどうでもいい考察なのである。
トップに掲げたクラブの向きは、ボールに当たる時には正面を向いている。右上にあるクラブヘッドの向きが、ボールの正面から当たる軌跡を通らなければならない。それも重力に従って無理なく進まなければならない。
- クラブは重力の影響を受ける。
- 体がクラブに運動を伝えるのは、グリップだけである。
つまり、ゴルフクラブのモデルは、棒の端っこを動かす事で得られる軌跡である。
この時、
- クラブは、完全な円運動ではない。
- クラブの中には円運動の中心は位置しない。
これに加えて、クラブには捩じられる力(トルク)が働く。
なにより、かれより、クラブヘッドはトップの位置では上下逆さまになる。上下をひっくり返して元の位置に戻す運動である。
トップの位置から体が正面を向く間に、クラブはその何倍もの大きな距離を移動する。この時、注意すべきはクラブが回転する中心軸はクラブの中にはないし、一点に固定されてもいない。クルクルとバトンを回すのとはそこが違うのである。例えるなら両肩と腕でできた井桁ようなものだろうか。これは左腕と右腕が交差する動きである。
クラブヘッドは右から左への直線運動ではなく、左上後ろから真ん中前下という立体的な移動をする。
このゴルフスイングの動きに体の方を合わせてゆかなければならない。前のめりになり過ぎれば肩が腕の動きを邪魔する。ボールに近づき過ぎれば、腕が縮んでしまって上手く回らない。肘はもっと体に近づけた方がいい。体はあまり前傾にしない方がいい。
打つ前に、クラブがそこに戻ることを意識する。それを単純に言い切ってしまえば、クラブヘッドの上下をひっくり返せ、という感じである。それをスイングの中に入れる。
人間には完全な自由意志などない。ただ、クラブの軌道を見つけ出し、その中に納まるようにスイングするだけである。所詮はゴルフも重力のスポーツである。それを超えることは出来ない。
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