2013年3月22日金曜日

練習場より 2013.03.22号 - ボールの衝撃

さて、ボールとクラブがヒットする瞬間である。

素振りならプロ並みという人がいる。これはボールがあるとスイングが変わる事を意味している。ボールの重さは規格で決まっており、1.62 オンス(45.93g)以下である。重いとは言えない重量である。

それでもクラブヘッドの速度と質量がこの 46g のボールに当たった時には予想以上に強い衝撃が発生する。それまで 0 だった抵抗がピコンとあがる。つまり素振りとの違いは、当たった時の体勢にあると言える。

ボールに当たった時にどういう体勢でいるのが望ましいか。これが重要だ。この当たった瞬間にどういう体勢を取っているかにより、スイングが崩れるか、衝撃に負けることなくボールを飛ばせられるかの肝となる。この形が分かってない間はスイングは素振りと変わらない。素振りは体の流し方を理解するにはよいが、ボールの衝撃が足りない。

ボールに当たる瞬間を祈りに例えた事もあるが、今回は当たった瞬間の体の形について考える。ボールの衝撃は小さいとはいえ 50g のボールを 240yard (220m) 飛ばす力である。

トップの形は、左腕が右側に動くため、左腕と右肩は押し合う。そのため右肩に力が入っていると勘違いする。ここに力があると感じれば、スイングが始まった瞬間に力に負けないようにと無意識に力が入ろうとする。筋肉同士が押し合っている状況を力と勘違いしているわけだ。

スイングではボールと当たるまで拮抗する力は必要ない。力みとは、基本的に力に反発しようとするものだろう。とすれば、力みの使い所はボールに当たる瞬間であり、その前でも後でもない。当たる時にだけピコンと電圧が上がるように力が加わればいいはずである。

ボールと当たる瞬間の形を意識したい。これが力と対抗できる形であるかを意識してみたい。体がどうなっていれば力と拮抗できるか。そうしないとボールと当たった瞬間に体はバランスを崩す。崩しても分からないくらいに崩れであろう。ボールと当たった瞬間は時間にして 0.1ミリ秒くらいか。それだけの間を崩されずに耐えられれば、ボールに当たってボールが反発して飛んで行くまでの間、十分と思う。この短い間さえ体を支えられれば、クラブは押し戻される事なくフェースの角度も変わる事がなくスイングできるだろう。

これはこれまで推察してきた中で最も大切な基本と思う。気付いてしまえば単純だ。ボールに当たるまでの軌道や速度よりもこちらの方がより重要だ。当たった瞬間に耐えるだけの力が必要というだけの話しだ。そのための体勢を取ろうというだけの話しだ。逆に言えばそれだけでいい。ボールに当たるまでは必要ないが、当たった瞬間にだけ必要となり、それが終われば消えてしまう力。

スイングの中にはほんの 0.000001 秒であるが、ボールと拮抗するためにクラブは減速、または速度 0 になる。ここを正しく乗り切る事がスイングでもっとも大切だと今になって発見した次第である。

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