2015年7月2日木曜日

練習場より 2015.07.02号 - 腰は固定して

左大内転筋を緊張させると共に、右腰を入れるよう意識する、と書いてみたはいいものの、スイングという刹那(一秒未満)に終わる動作の中で、意識的にそれを行うのは困難であることは自明であった。

意識して緊張させる、無意識のうちに自然に動いていた、これらは意識に問題があり、意識の問題として昇華させたいのは、当然ながらコントロールしたいという欲求の現れである。

ある目的を達成するのに、ひとつしか方法がないという事は考え憎く、多くのものは同じ効果を得る複数の方法があるものである。

それはスイングでも同じこと。そこで、左大内転筋と右腰をもっと簡単に望ましい状態に置く方法に何かないだろうか。

左内ももと右腰の代わりに骨盤の向きだけを意識する方法を試してみた。骨盤は一つの骨ではないが、大きく開いたり閉じたりする動きはできない。左が前に出れば右も前に出るし、左が前に動けば、右は後ろに動くという左右が一体した動きをする。

スタンスで取られた骨盤の位置を、腰の左右のラインとして考える。このラインをなるべく動かさないように意識するのである。

トップでは上半身は右を向こうとするから、それに対抗する腰の動きは次のどれかしかない。
  1. 上半身に応じて腰も右を向く。
  2. 上半身に対してそのままの場所に居ようとする。
  3. 上半身に反して、腰は左を向こうとする。

このどれかになるのは、当然ながら哺乳類には肋骨があるからであって、爬虫類型人類の場合、肋骨が腰まで続いているので、お腹を捻るような体勢は作れまい。そのため爬虫類型人類がゴルフをする場合、我々とは違ったスイングを形成しなければならぬだろう。

さて、腰の位置を固定して上半身を動かすと、まず方向性が極めて良くなる。これは恐ろしくである。また、動かさないという意識によって、スイングの時、上半身だけが左に行こうとする動きに対して、下半身が拮抗してくれる。それによって自然と左足側の緊張(動きを支えるという運動)が強いられ、左大内転筋が緊張する。

更に上半身が左に行こうとする動きに対して、腰の右側が引っ張られるので、自然と腰を入れた形状が取られる。

こうして、腰を動かさないように意識することで、最初に指摘した複雑な動きを自然と取り込む事ができるのである。

骨盤の形状は、肘掛の付いた椅子のようであり、パトレイバーのそれにもよく似ている。ここを動かさない事で、上半身が動いても、下半身の動きは制限される。この制限している力がスイングの力となって発揮されるように思われる。これはこれで理に叶っているのではなかろうか。

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