2015年7月9日木曜日

練習場より 2015.07.09号 - より飛ばしたい力の与え方

形を制限することで得られるものがある。伸ばす所は伸ばし、縮める所は縮める。そういう動きをするためには構えの最初の所で体を制限しておく必要がある。
  1. 腰を正面に向けて固定しておく事。
  2. 左脚と左腹をすり合わせるようにスイングする事。

こうしてひとつの結論を得るのであるが、そこで満足はできない。今の段階から更に力を強くするにはどうすればいいかと直ぐに悩み初めてしまう。もしかしたらゴルフがしたいのではなく悩みたいだけではないか。そう思われても仕方がない。

際限なき追及はゴルファの誰もが持っている欲望であるし、ひとつの階段を上がれば、次の改造が待っているのは、世の常である。

力の考察
よりスイングを強化するにはどうすれば良いか。それを追及するには物理学的にも生理的にも合理性がなければならない。こうすればより強くなるはずであるという考えが、もし物理学や生理学からみて妥当でないならば、その改造は基礎から崩れることになる。

例えばアニメでは機体を強化したり、新必殺技を編み出したり、新しい武器を手に入れることで強い敵を倒すことができるようになる。その状況をどう描いているか研究すれば見えてくるものがある。

通常、新しい機体や武器は以前の旧式よりも大きいものである。これはマジンガーZやゲッターロボ、ガンダムなどを見みれば分かることである。大きければそれだけで強い。

更に動きも重要である。これはパンチひとつとってみても、ジャブよりもフック、フックよりもブーメランフック、ブーメランフックよりもブーメランスクエアーとより動きは大きく派手になっているのである。

ゴルフスイングに置き換えれば、スイングの強化とは「大きく・大きく・早く」に極まる。後はこれが物理学の法則に違反していないかを検証すればいいのである。
  1. 体を大きくする - 質量を増やす。
  2. 動きを大きくする - 距離を長くする。
  3. 動きを早くする - 速度を上げる。
これらの妥結は次の方程式に極まる。
力 = 質量 × 加速度 (F=ma)

人は力を与えたい時は自然とこのいずれかを向上しようと試みるものである。体を大きくして質量が増えればそれだけ力が強くなる。距離が長くなれば加速度が同じでも速度が速くなり力が強くなる。動きが早くなれば、それだけ加速度があるので力が強くなる。

一般的にゴルフスイングでクラブを重くする人はいない。重くするなら、どちらかといえば腕を鍛えて腕力を向上させ腕の重さを上げる方がよい。重いクラブでは慣性の法則により人間の筋力では短時間に十分な速度を与えらないからである。

距離の考察
そこでスイングの強化はスピードに注目するしかない。ボールにヒットした時の速度と飛距離は比例する。上記の公式は速度ではなく加速度であるが、速度を微分したものが加速度であるので、当面は similar なものとして考える。

速度を上げるためにはどうすればよいか。
速度 = 距離 ÷ 時間

この式に従えば距離を長くするか時間を小さくするしかない。
  1. 加速できる距離を少しでも長くする
  2. 距離を移動するのに必要な時間を短くする(加速度を上げる)

ゴルフスイングでは、距離も時間も無限ではなくクラブの構造が決定する。距離を稼ぎたいドライバーではシャフトを長くして距離を稼ごうとしている(直径が長くなれば円周も長くなる!)。
クラブ長さ円周
ドライバー45 インチ7.2m
フェアウェイウッド43 インチ6.9m
アプローチ35 インチ5.6m

スイングで使用できる距離が円周の半分だとしても、3.6m, 3.4m, 2.8m である。これにシャフトのしなりが関係してくるのでスイングと速度の関係を正確に求めるのは難しい。

それでも距離はクラブによってほぼ決定する (スイングの工夫により距離を稼ぐ人もいる) のであるから、クラブの選択で距離の話は終わりである。

時間の考察
そうすると人間に出来ることは時間である。速度を向上するには、必要な時間をいかに短くするかに掛かっている。

しかし時間といってもアマチュアのゴルファーでさえ十分に短い。スイングにかかる時間は1秒未満である。この極めて瞬間の内に、停止しているクラブは加速し、ボールにヒットし、減速してから停止する。実際には加速に使える時間は 100ms もないのではないか。
  • トップで停止している位置から
  • 最初の初動で動き始め
  • 次第に加速をし速度を上昇させ
  • ボールにヒットし
  • 停止するために減速を行い
  • フィニッシュで停止する

こういうことを人は無意識に気付いているから、加速する距離を少しでも長くしようとする。それがトップを大きくするし、最初から力んで加速しようとする。一気に最高速度に達するには全力で加速すべきなのである。

当然その結果が上手くいくはずもない。

動き始めを強引にすれば軌道が乱れるのは想像に難くない。それよりも動き始めで使うべき力がある。なぜトップが高い位置に持ち上げるのか。位置エネルギーを使用するためである。つまり重力である。

アイアンがある程度の重さを持っているのは、質量があるので慣性の法則によって直進安定性がよくなるからである。重力を利用して落下されば自然と綺麗な安定した軌道を描く。更にこの重さがラフなどの不安定なライでもより直進しようとしてくれる。

ウッドなどの軽いクラブでは安定性よりも加速を意図している。同じ力であるなら軽いほうがより加速する。質量を軽くし与えられた加速度が速度となって力を生み出すように設計されている。

重いクラブは、重力を利用し安定した軌道を通すのがよく、軽いクラブは、それは筋力を使って振り回すことが前提だろう。

さて、ここで考えなければならない。一体、時間を短くするとはどういう事か。時間が短くしたければ、速度を上げるしかない。しかし、時間を短くしたいのは、速度を上げたいためであるから、この議論には、時間を短くするための具体的な議論がまだ含まれていないのである。

斥力の考察
どれほどスピードが上がっても、ボールとのインパクトで押し返されては意味がない。

もしクラブヘッドが豆腐だったら、例えタイガーウッズと言えども 10ヤード も飛ばせないであろう。ボールの斥力に押し返されずに打つ、インパクトで減速しないことは重要である。

インパクトで減速せずにボールを跳ね返すにはどうすればいいか。スイングの加速する区間の終わりにはではくその途中にボールを置いておくことである。クラブが加速を続けている(その力を受けている)ならば、ボールの斥力と与えている加速度が相殺しあうだろうと思われる。

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