脳は寝ている時も筋肉の緊張を司る。脳がそういう指令を出しているのだから、随意筋と言えども意志の自由になるとは限らない。脳は意識に叶った動きをするが、意識が筋肉の全てに命令を出しているわけではない。
だから脳の命令を邪魔するように意識が介入すれば、運動全体のバランスは崩れるだろう。脳は瞬時に応対しようとするが、それにも限度はある。
意識が筋肉の緊張を完全に取り除くのは難しいように思われる。ヨガがそういうのを目指しているかは知らないが、脳には脳の都合がある。意識は自分が主人だと思っているが、脳が彼/彼女を主人だと思っている感じはない。彼/彼女は与えられた仕事をただこなす為だけの存在にも見える。
同じ姿勢を続けたり、痛めた場所を庇い続けていると、脳はその緊張を解く時間が作れない。これがコリの原因ではないか。
腕立て伏せや懸垂をしていると疲労によってそれ以上続けられない状態になる。疲れれば、運動をやめる。短期的な疲労はこうやって回復できるが、おそらく肩こりは長時間に渡る軽い疲労の蓄積だろう。
疲労は血行によって解消されると言われるが、もちろん血が止まれば壊死するのだから、血行は滞っていないはずである。という事は血行だけでは疲労は回復できない。
肩こりが原因として頭痛が起きる。気分が落ち込む原因にもなるだろう。そういう時には、柔軟体操やラジオ体操をしたり、スポーツで気分転換をはかったり、マッサージを受けたりする。
このメカニズムについて自己流に考えてみた。すると重要なのは、緊張を如何に解除させるかという所に行き着いた。これは別の言い方をすれば、脳が出し続けている命令を如何に停止するかである。
脳は必要であるから命令を出しているはずである。これは姿勢を維持するためであろうことは間違いなく(何らかの障害によって麻痺が起きている場合は除く)、これを解除するには、いくつかのパターンがある。もちろん、姿勢を変えれば治るだろうが、その方法で治ったケースは殆どない。
基本は脳に別のことをやらせる事である。他に対処しなければならないシチュエーションを生み出す事で、緊張をほどく。緊張が瞬間的にでもほどければ楽になるのだ。脳が忙しい状況になれば、プライオリティの低い命令から面倒を見れなくなってゆくはずだ。その中にコリの原因となっている緊張せよが解除できれば十分である。
咄嗟に反応しなければならないような状況に置かれれば、例えば危険を伴うような、脳はそれへの対処のために集中する。それは他への意識がなおざりになるという事でもある。こうして必要性の低い命令は脳自身も忘れるのではないか。そういう状況を作れば解消できるのではないか。
その代表的なものはスポーツではないか。こけたり、倒れたりしている間に次第に調子が良くなっていくのではないか。脳が危険に対処する他の例には、事故や、風邪などの病気も考えられる。風邪から回復したときに、なんとなく体が軽く感じるのは、そういう理由もあるのではないか。
その他として、痛みへの対処で緊張が解ける場合もある。代表例としては足つぼマッサージがある。痛みをある場所に与えると、脳は痛みへの対処を優先するため、他の場所への命令を解除するように思える。痛みが収まればまた命令を出すとしても、数秒でも緊張がとければ楽になるものである。
整体やマッサージではツボを刺激することで、緊張を取る。神経を刺激する事で脳からの命令を混乱さえているのかも知れない。神経への刺激という点ではセックスも同様で、絶頂に達することで脳は緊張を解除しているのではないか。
- ツボ外し - 「そこにツボはないんだけどなぁ」
- 方向違い - 「場所はそこでいいけど、ちょっと方向が」
- 深さ足らず - 「そこそこ、もっと深く押して」
- 力弱し - 「そこそこ、もっと強く押して」
- 回数足らず - 「もっと何回も押して」
スキーで右足の前十字靭帯を損傷をして以来、常に右足をかばう生活をしてきた。その命令は強く、歩くにも走るにも、ゴルフのときも、右足の保護が最優先だ。
だから、右足を使う時は、ひざをひねらないように注意し、固定するようにしてきた。ところが、どうやら右足の筋肉と、左肩、左肩甲骨の筋肉は連動しているらしい。右足を使わないことによって生じたアンバランスを、脳は左肩の筋肉を緊張させることで取っていたようである。
逆に、右足の筋肉を使う、例えば、右足で一本足立ちして屈伸すると、左肩、背中、首などの緊張が緩むようである。どこかの筋肉が緊張すれば、他の部分が緩む。筋肉への命令はどうやら連動しているようである。
お風呂で浮居ているときに、右足の筋肉を意識して緊張させるだけで良い。負荷をかける必要はない。緊張する命令だけで十分に肩こりが取れる。
さて、単にこれだけでは凝る位置を変えただけに過ぎない。A地点からB地点に変えただけである。そこでどうしなければならないかといえば、緊張する場所を循環させればよい。休息と緊張を繰り返してゆけば、一か所に留まらずに済むだろう。
ということで、右足を使うことが新しい課題である。ひざを痛めているので、それを保護したうえで、しっかり歩く、しっかり屈伸する、右足の筋肉を使うという事を行ってゆく。それが、ゴルフのスイングに影響を与えないはずはないと確信している。
0 件のコメント:
コメントを投稿