2010年11月6日土曜日

練習場より 2010/11/06 - アトラトル

ものを遠くに飛ばすのは物理学の問題です。これを実現する道具としてはトレビュシェット(投石機)やアトラトル(投槍器)があります。これらの仕組みを見れば、これはゴルフへの応用が可能です。

これらの道具の特徴は、腕の先に対象を加速するもう一つの関節が加わる事で、最初の加速運動(円運動)に続き、それよりも小さい円運動が上乗せされることです。

円運動は、半径が小さいほど加速に必要な力は小さくて済みます。二重の円運動をすることで最初の加速に加えて小さい円運動がそのスピードに上乗せしてより早いスピードを加算します。ゴルフでは、最初は肩から手首までの動きで、それよりも小さな円運動が、手首からシャフト、ヘッドまでの運動となります。

最初の円運動の中心は、肩になります。トップ位置から、肩の運動が始まります。スイングの始まりは、トップ位置にある手首が下に落ちる事ですが、これはゆっくりでよろしいです。ここはゆっくりでいいのは、正確な位置にある事が大切だからです。ここでゆっくりと動くことは、静止した物が動く時に一番大きな力が必要である事と急激な加速は方向性の安定を確保できない事と関係しています。最初の動きだしは方向性を決定する準備段階であり、これはゆっくりで構わなく、その目的は停止しているクラブヘッドを重力と肩の運動により、加速するための準備を完成させる事です。

手首が自由落下に従って落ちてきたら、いよいよ、クライマックスであるクラブヘッドの運動が開始されます。このとき、クラブヘッドは手首よりも上の位置にあり、その角度は45°程度でしょう。ボールに達するまでに加速に使える角度はボールと腕の角度が90°、手首とクラブヘッドが45°はあるでしょう。この二つの角度の差は手首がボール位置に近付くにつれて小さくなってゆき、ボール位置で二つの角度はどちらも0°になります。

小さな円のほうが、誤差が生じる角度が小さくてすみますし、他の部位が固定されていれば、手首からヘッドまでの円運動だけを考えればよく、大きくぶれる可能性は小さくなります。ゴルフではよくいわれるスイングプレーンという大きな円がありますが、それよりも肩から手首までの円運動の円周上で第二の回転運動があるというイメージです。

太陽の周りを地球が回っているのが肩から腕とすれば、手首からヘッドまでは月のようなものです。このとき、トップからゆっくりと肩から手首までが動き、その先にある手首からヘッドまでを半径とした回転運動という二段階の動作となります。加速に加速を載せるという二段階で行います。ダフリというのは、第二の円運動が早く動きすぎているとも言えます。

さて、トップに位置付けるまでがしっかりできれば、基本的には、スイングはトップを作るまでの動きのリバースになりますが、これは正確ではありません。トップを作る時とスイングするときでは体幹の動きが全く違うので体の動きから見ればリバースではありません。

このような段階的な運動であると理解するよりもクラブを持ってもっとも自然な動きを試行錯誤する方が正しい動きを体に覚えさせる事が出来るでしょう、しかし、力を与えるのに明らかに物理法則に反した考え方で行っていれば、それを見つけるのも難事でしょう。

もし物理法則と相反する事を書いているようなら、アリストテレスでさえ間違いを犯しているのですから、笑ってご指摘ください。

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