2011年9月28日水曜日

練習場より 2011/09/28 - クラブを見送る

PGA TOUR に出場しているプロ選手のスイングを見て体がほとんど動いていないことに気付く。

体というか、軸というべきか。思いっきり振り回している感じもない。振り回すと言うよりもクラブだけが動いている。そんな印象だ。

そのあと軽くクラブを持って 1m 幅で振ってみた。体はスイングのための動作をする。だがそれは体が捻じれたり、ひねったりすることで生まれる力ではない。下半身で上体を支え、体幹、主に肩や背中を力点として作用点であるクラブヘッドを動かすのに近い。体の中に支点があるからそこは動かないのだろう。

スイングはクラブを見送るようにするのがいい。クラブを見送る、後ろから見送る。一緒に付いて行ってはいけないし、追い駆けてもいけない。見送るようにスイングすると下半身が固定されて上半身の自由度が増して、クラブはゆっくりとだが確実に加速しながらボールにヒットするように感じられる。

クラブの加速はゆっくりでいい。何故なら腰よりも下の位置からクラブは急激な加速を行うから。このときクラブヘッドもシャフトも大きく軌道を変える。ここから急加速するから最初の加速はゆっくりでいい。いきなり思いっきり振ってしまうとこの軌道を変える制御ができないし、そのための時間的余裕もなくなる。短時間の加速でパワーを使いきりボールにヒットする頃には惰性で動かざる得なくなる。

宇宙空間ではないので惰性になるとは減速すると言う事だ。トップの位置からゆっくりと加速し、途中で軌道を変える運動に移行する。この軌道を変えるときに急激な加速が生じるからそれで十分だ。クラブは横の移動よりも上下の移動でエネルギーを得る。横運動は体を捻るしかないのでそれでは加速の役に立たない。重力を使って上から下の位置エネルギーを利用すべきである。

横回転は体を捻る力と連動するが、クラブの軌道の全てを加速させるほどには人間の体は捻じれない、拷問ではないのだから。肩の回転でクラブは円(に近い)軌跡を通るが肩が最大のパワーをクラブに伝えられるのは、下半身で体幹を支えて体幹を作用点としたテコの運動が働いているからだ。

肩を後ろから支えている力、背中の筋力、が強力であれば、肩から腕、クラブヘッドまでが振り切れる。振りきれるとはクラブを見送るスイングなのだ。

このスイングは今までと少し違う、いいスイングだと自己満足している。暫く練習場に行くのも楽しくなってきた、それくらいにこの新しいスイングが気に入っている。

2011年9月9日金曜日

GOLF 2011/09/09 - 北海道編 ii

道内の長い高速道路を下りるとそこはゴルフ場であった。晩夏の芝が芳しくなった。ハウスにバスが止まった。

ゴルフ場のキャディがバッグを取ってくれて、フロントの前で名前を書かされた。ロッカーの番号が渡された。娘はフロントいっぱいに乗り出してビジネス的に叫ぶように「9:30 イーグルコース、スタートです」

バックをさげてゆっくりロッカーへ向かっていた男は、着替えを済ませ、2F でゆっくりとコーヒーを飲もうとした。

もうそんな時刻かと男は外を眺めると、スタート前のコースが平野に広々と広がっているだけで、朝の清々しい空はそこまで行かぬうちに雲に流されていた。

「スタートです、キャディーです、よろしゅうございます」
「ああ、ここは初めてなんです。迷惑かけますね。よろしくお願いします。」
「オナーさんが今度こちらから打っていただしますのですってね。さぁ始めましょう。」

「こんなところ、打ちのめされるために来たんじゃないだろうよ。さあ火を吹け、俺のドライバー。」
「ほんのアマチュアですから、気にしないでやっていただいて、キャディさん、宜しくお願いしますわ。」

(書き出しはほぼ雪国です)


さあゴルフの始まり、少しだけ雨に当たるも、終わってみれば満足できるスコア。

そしてホテルに戻って北海の幸。そう!お寿司。僕の持論というか好みであるが寿司は太巻き、次に細巻、握りが旨いなぞ味音痴、ちらし、押し寿司は美味。その証拠に美味い太巻きと出会うのが至難の業。焼いたカニとかなんだかんだ出てきてお終い。

北海道の夜は更けゆく。

明けて、東京へ戻る日。折角来たのだからと嫌がる人を引っ張って JR 北海道に乗り込み空港へ。

な、なんと、北海道では Suica が使えるんです、すごいぞ、ペンギン。
(もし使えなかったら今頃ここには JR への罵詈雑言が書き込まれている)

さて空港にはマッサージがあります。新千歳空港 1F にあるラフィネというお店なんだけど。これが今回の北海道遠征で最たる収穫。そこの T さんのお上手なこと、なんの。肩のツボをぐいぐいとやられてこんなにやってもらうのは久しぶりだわ、と思いました。これまでも多くのマッサージ師と出会いましたが、なるほどツボを指圧にするのにも巡り合いがあるのかと。

(めぐりあい北海道編)

これが出会いというものかと感動しまいた。


さて事件とは何かというと。

あれは、千歳最後の夜のこと。岩茶と 7 子で囲碁を打っておりました。僕は岩茶の石を殺し切っているので安心です。中央にある黒の大群を。相手に二手打たせても死にであると確認しております。怪しい所も確認しました。その結果、大丈夫であると思っていました。

所が横で見ていた K がしゃしゃり出てきて、今のは待ったした方がいいよ、ほれこうしてこうすりゃ「おっそっちからか。フムフム」ごにょごにょと。

じゃこっちでと岩茶が言う。私も白を持っている手前、あーそうだね、こりゃ見落としかなぁと平気を装っていましたが、むむむ、これは見てなかった。あーもうこんな欠点があるならもっと早く手を入れておくべきだった。たぶん何回も打つ手番はあったはずなのに。ムムム。黒の大群を殺し損ねた所か。

それはねパットを外すよりも悔しいことなんです。

何故ならパットは想定外であるが、黒の殺し損ねは何度も確認した中での見落としだから。確認しこう来たらこうする、と想定済みの問題だったのです。それなのに手になったのは悔しい。

そういう経験からして、いま想定外とかのたまわっている人達は悔しいという思いはしていないのじゃないか。でも、それじゃダメなんだ。想定外のわけないんだ。

さて羽田についた瞬間に思った事は、暑ち、北海道は確かに過ごしやすかった。ジャガイモもおいしかった、何よりもゴルフも囲碁も食事も楽しかった。

今の一抹の寂しさを羽田に置いて帰路に着くのである。

2011年9月8日木曜日

GOLF 2011/09/08 - 北海道編 i

羽田空港にはたくさんの笑顔の人たちが居て、みんなが旅立ちに期待と不安を持って自分の飛ぶ番を待っている。

そんな中ゴルフの為に朝早くからチケットを握りしめ空港に集合した4人の男。夏の炎天下の下で命を懸けてゴルフをするべきか、日射病で倒れたくない、命を懸けるのはいいが死ぬのは嫌だという勇敢な男たちは夏の陽射しを避けて一路北へ、ロシアのバルチック艦隊と決戦すべく対馬へ、ではなく、全く逆の新千歳へとジャガイモとジンギスカンと北海の幸を求めて飛び立とうとしているのである。

夢と希望と野心を乗せて、いま、ボーイングが飛び立つ。

さて、北海道の大地に下り立って皆が気付いた事がある。暑い。

全然、北じゃねーし、なんだよ、永久凍土くらいねーのかよ、暑ちいよという話しです。地球温暖化はやっぱり危険だよね、気候クライシスだよね、火力よりも原子力だよね、という話題になる訳は勿論なく我らはのんきな自然破壊主義ゴルフ万歳党である。

さて、スイングについては十分な練習を積んだはずである。特に右手の親指が体全体をナビゲーションする役割に気付いてからはスイングに期待している。更には下半身はお尻を意識するのが重要だという事も学んでいる。

さぁコースへ、の前に昼食。何食べたっけ、北海道っぽいものをと思ったけど、お昼と言えどもあんましお腹すいてなかったんだ。だから、なんか食べたけど何食べたかの記憶がない。本当に何を食べたっけね。ビールだっけ?

さすがに緯度が高くてイギリスと同じくらいだったかな、白夜の一歩手前みたいなもんだから、13 時からゴルフしてもホールアウトまで明るい。 The Openで19 時になってもゴルフしてたけどあれと同じ感覚の話しなんです。日が長いというより夜が短いというのか。とにかく 13 時スタート。最初のホールはドライバーから始まって 18 番ホールは最後をパターで決めました。

でゴルフは無事終了し夜は新千歳の町へ。目指すはジンギスカンなんだけど、みんなのノリはいまいち。北海道のジンギスカンは美味しいとどれだけ説明しても乗り気じゃない。挙句の果てにはガストでいいじゃん、吉牛があるじゃんと言い出す始末。貴様ら、北海道をなんと心得る、と説得しながらお店を探す。

面倒くさいのではしょるが取り敢えずジンギスカンの店に辿り着いた。羊が大きいと書いて美味。

満腹になってホテルに戻ってからは囲碁タイム。iPad の凄さはあれが碁盤に早変わりするという点にあるわけです。

Jobs! nice Job!

IT vs me の将棋も打ちましたが、とりあえず K と打って四苦八苦しながら 4 子勝ち。勿論これにはからくりがあってコミがないから本当なら 2 目半負け。そのあと 4 子くれてやって 40 目負け。まぁ善戦でしょう。続けて IW と 7 子とか 9 子とかで打って 3 人で楽しみました。

こうして北海道の夜が更けてゆきます。次の日、まさかあんな事件が起きるとは夢にも思う事もなく・・・

(後半に続く)

2011年9月6日火曜日

練習場より 2011/09/06 - 親指小指

手を動かすのに多くの人は困らないでいる。誰でも生れてから長い時間をかけて自分なりの動かし方を身につけた。

ここで大切な事は同じように動いているように見えて、全ての人が自分と同じように動かしているとは限らないと言う事である。例えばゴルフスイングに於いてトップからの切り替えしだって誰もが同じではない。ヘッドの重さを感じて行う人もいれば、そうでない人もいる。

スイングの時、ヘッドの重さではなく、右手首の曲がりを意識する人もいる。ヘッドの重さを感じるのは筋肉の疲労や精神的なアグレッシブさに影響を受けやすく同じ状態を保つのは難しい。手首の角度なら目視できないとは言え曲がる限界値があるので感覚に頼るよりも一様を保ちやすい。

トップの位置では手首は折れるものだ。この折れた手首が元に戻る過程がスイングだと仮定する。するとスイングは小指か親指のどちらかが先行するはずである。上に振り上げた手は野球のピッチングと同様に手首が折れ、途中までは小指が先行する。右手の手の平は空を向いており、そのままでは振り抜けない。

だから途中で親指が先行するように手の向きがひっくり返る。右の手のひらが地を向き手の甲が空を向く。このように小指と親指の動きというのはスイングの途中でダイナミックに回転し入れ替わる。勿論、親指小指は総合の中の一つ (One Of Them) である。それだけが大切なのではなく、それも大切なのである。

どの大切さを意識の上に乗せるか。本当の上手はこういう意識をしなくても出来るものであるが。それが今日は親指小指の意識であった。これが新しく意識に加わった。そのお陰で過去の気付きは忘却の彼方へと追いやられただろう。

この気付きもまた他の忘却と同じく多くのものを兼用している。これが他の意識で達成すべき事も兼ねているから片方は忘れてもそれは成就される。忘却されている気付きは、他の気付きに統合され、その中で生き残っていると考える。

(使徒がエヴァを捕食するなんて)

さて、この気付きをコースでテストしなければならない、そのコースが今週の僕たちを待っている。

2011年9月4日日曜日

GOLF 2011.09.04 - 東筑波

空にはラピュタのような雲が流れ、

林にはモネが描いた柳が風に揺れてある。

IT さんは 50 ヤードを打つために 8 番アイアンより下のクラブを全て持って飛び出していった。

6 本も抱えているとはこれから何打打つ気だろう。

IW さんのパットは面白い。

パターがまるで生き物のように揺れる。

狙いを付けたカマキリが飛びかかるのを躊躇しているかのようだ。

K さんはコンペに行き出してマナーに五月蠅くなった。

人生のマナー違反をしているくせに。

スイングが変わってきたので、おじさん連中とどんなゴルフをしているか想像できる。

さぞかし上手な教え魔がいるんだろう。


2 オン 4 パット、これが今回のゴルフを象徴している。

アイアンを打つ程にはパットは練習をしていない。

その分だけ頭を働かせなければならない。

そうでなければ良い結果になる理由がない。

あとパターで大切なのは一打一打必ず叫ぶ事だ。

これを絶対にいれちゃる。

これを入れてバーディーじゃ。

この思い込みが絶対に必要だ。

パターは思い込みが 9 割である。

2011年9月2日金曜日

練習場より 2011.09.02 - ソール

ゴルフクラブのヘッドはロフト角を持っている。そしてヘッドの中央付近に重心がある。クラブヘッドの上と下、クラウンとソールは違うものである。スイングはボールにソールを先に入れる。ソールがクラウンよりも前を走るように流す。

意識し過ぎると過剰な動きになって悪影響を及ぼす。しっかりと止めておくべきものをもっと動かした方がより飛ぶんじゃないかと考えるのは、高速で走っている車のタイヤを更に前に押し出せばもっとスピードが出るんじゃないかと考えるのに似ている。しっかりとタイヤが固定されているから車はスピードを出せるのであってスイングにも固定されるべき体の部分がある。テコの支点が動けば力が発揮できないのと同じようにスイングでも動かない方がよい場所がある。

ゴルフのスイングとは、実は、体を動かさない、という事を知るものなのだ。