2010年11月26日金曜日

練習場より 2010/11/26 - 僕たちの将来は

自分の思い通り行かない時に、誰かを罵倒するのは誰もがやる事だ。それでストレス解消にもなる。そうやって何かのせいにして、自分の正義を通し、思い通りにしなければ精神の安定が保てない。

誰だって誰かに頼りにされれば嬉しいものだ。だから、相手を罵倒するのは孤立の裏返しと言える。相手よりも一時的に優位に立って、自分の地位を示し、能力を示す事で、相手に自分が頼られる存在であると示唆する。これは、孤立から抜け出したい、という気持ちの表出でもある。

だが、そのままでは自分の感情の発露であって対立を埋めるのには遠い。ただ神の御加護を祈っているだけでは解決しないだろう。祈りはインスピレーション(啓示)を得るためにするものだ。

そうやって何事も思い通りにいかない。ゴルフなんか、なんでここで、と言う所でダフったりする。僕はクラブのせいにしてその場の鬱憤を解放しているが、本当はそこで終わってはダメだろう。自分と向き合うというけれど、本当は失敗を受け入れると言う事だろう、失敗を繰り返さないために、鬱憤を晴らすだけでは駄目だろう。

だけど、先の見えない霧のような状態にあって、打てども打てども、ダフったりトップしたりしてスコアが悪くなってゆく。そこでどうすればいいのか、それを受け入れたらスコアが良くなるかと言えばそんなはずはない。

何をすればいいのか、どうすればいいのか、自分では分からない。一体、上手く打てた時と、悪いショットでは何が違うのか、自分のスイングが悪いのか、では何が上手くいく事と悪い時を分けるのか。The Openで優勝寸前でパットを外したプレイヤーがいたが、彼が下手だったり練習不足だったりする訳がない。

不運だか、たまたまだったのか、昔の人はそれを神の御加護とか、天の意志と呼んだりした。それよりはゴルフの神様に愛されなかったと呼ぶ方がまだ少しは納得がいく。いや、そんなわけあるか。彼は何回もそのパットを夢に見て目を覚まし、そして分からないままの自分でいる。

慰めの言葉は当人には何の役にも立たない。だがゴルフは人生と同じだろう。

僕は、それはクラブが悪い、と兎にも角にも立腹している。

2010年11月18日木曜日

練習場より 2010/11/18 - 量子力学とゴルフ

試行錯誤した結果、幾つかの発見は誤解であった。

それでも幾つかは重要な発見として今も残っている。明日には、誤解であったり勘違いであったとして捨てる事になるかも知れない。はてまた、それを別の言葉で言い換えるかも知れない。しかし、それでも、昨日の発見は一つの重要なポイントであるように思われる。

肩甲骨とゴルフ
即ち、肩甲骨の下で打つ、という事である。下とは体の内臓の意味ではなく、立った時の上下方向である。肩甲骨の上側、肩に近い方で打つよりも下側、腰に近い方が安定するようである。

一つには、上よりも下の方が、動作の中心が地面に近い事が挙げられる。もうひとつは腰に近い事が挙げられる。いずれも揺れを少なくする効果が期待できる。更に、膝(特に右足)が緊張して上下動が抑えられる効果がある。腰を中心とした動きというのは、安定化のための効果をもたらすようだ。

直線上の力
しかし、この位置はクラブによって少しずつ違う。クラブの長さの違いがこのような違いを生み出しているようである。クラブが発揮するパワーとこれらの関係が安定した力を生みだす。そしてボールと自分を結ぶまっすぐな線を描く。

この線上でヘッドの先に生じる力と、これを支える体の力が直線を作る。

ライオンの狩りとゴルフ
力がある事と力む事は違うので注意が必要だ。また、思ったよりもゆっくりとしたスイングの方が力を生む事にも注意が必要だ。

トップの最初から急加速するスイングでは、失敗する。まずは、ラインを決める、次にそこを狙ってゆっくりと動く、安定した軌道に入ってから加速する、

これはライオンが獲物を狙うのと同じ動作である。遠くからいきなりシマウマに向かって駆けだすような狩り下手のライオンはいないのであって、ゆっくりと近付き、距離を見計らって加速する、これが狩りの基本だ。

量子力学とゴルフ
加速を始めるタイミングは、腕がしっかりと下半身側に行ってからだ。可能なら、トップからボールに当たるまでのフェースの向きがイメージできれば尚いい。実際の運動と違っていてもイメージがあれば、それがスイングの舵となる。

スイングはヘッドの回転運動と体の回転運動の合力なので、量子の重なりと同じように複雑な運動である。なので、ボールに当たるまでヘッドがどのような運動をしたかは分からない。ボールの飛び方を観測する事で初めてヘッドの動きを知る事が出来る。

スイングをゆっくりすると、実際にボールがどのように飛ぶかは分からないし、普通にスイングすると、今度はボールにどのように当たるか分からない。これをスイングの不確定性原理と言う。

ドライバーのような長いクラブになると、スイングの過程でヘッドが遅れてボールに当たるような感じがする。これはスイングの回転運動において、コリオリの力が働いてしまうためである。

2010年11月17日水曜日

練習場より 2010/11/17 - ありがとう

ありがとうって伝えたくて クラブを見つめるけど
ティアップされたボールは誰よりもやさしく
ほら、このスイングを受け止めてる

まぶしい朝に苦笑いしてさ クラブがボールを打つ
舞い込んだバンカーが 始まりを教えて
またいつもの10打を叩くよ

でこぼこのまま バンカーの砂地
サンドの淡いショットは
こぼれた砂は ボールより飛んで
いま 戻ってくるんだ

パーの夢がいつからか
ダボの夢に変わっていた
今日だっていつも大切なスコア
青空も泣き空も晴れわたるように

というわけで、ウッドである。

右足による固定は、強すぎてはいけない。棒状になった足は必要なクッションを失う。右足の反力はトップを作るまでは必要ないし、スイングの始まりでも必要ない。

それは手が下の方に来たときに必要となる。ゆっくりと狙いを定めるように、軽く動き始めたヘッドが加速し始める時に高さを固定する。

と同時に、ウッドを打つ時に必要なのが背中側の意識だろう。ウッドは、肩甲骨の下で打て、これが大切なようだ。上手くいかない時は、肩甲骨の上側で打っている。

もちろん、早く打とうとしては何をやってもダメだ。振り急ぐとヘッドが安定した軌道に投入されにくい。軌道が不安定になるとボールへのヒットがミスしやすい。肩で打つと言うと、肩や肩甲骨の上方が意識されるが、アイアンよりもスイングプレーンに角度がない(地面に対して並行方向に近い)ウッドでは、背中の下側を意識した方がいいようだ。

ちょうど、肩甲骨の下くらいがスイングの中心になればいいように感じる。この意識があるとヘッドの遠心力に対して、それをひっぱる力が背中に感じられる。外へ出ようとするヘッドの動きに対して突っ張る感じがする。とりあえず肩甲骨の下で打つ感じだとウッドが良い感じだったのでここに記す。

その理由は知らない。

2010年11月16日火曜日

練習場より 2010/11/16 - 999

人はみな ゴルフの海を見ながら旅に出る。
想い描いたフォームを追い求めて、
果てしなく旅は長く、
人はやがて、フォームを追い求める旅のうちに永遠の眠りにつく。

フォームは死に、フォームは生まれる。
その終わる事の無いフォームをスイングは走る
終わる事の無いコースの上を
夢と希望と野心と若さを乗せて
今日もスィングは走る。

そして今、ゴルフが新しいフォームの旅立ちを告げる。


クラブが変ればスイングも変わってゆく。何故だか知らないがこのクラブだけは苦手だ、というクラブがある。同じアイアンならばどの番手でも似たような重心位置やバランスで作られている。それでもこの番手は苦手だけどこれは好きというのがある。長さの違いは、持ち手の身長やバランスと密接に関係するだろうからそれもありなん、と思われる。

それがウッドとなるとアイアンとは更に違う顔を見せ始める。例えば、車の運転でも時速40kmでカーブを曲がる事は出来ても、時速200kmの速度となると難しいだろう。

これは基礎が出来ていない事、低速度では見つからない欠点が、高速度になって顕著に表れた一例に過ぎない。欠点というものはこうして見つかってゆく。レベルが上がってゆく程に見つかるものかも知れぬ。

直感力 私が囲碁から学んだ生きるということ - マイケル・レドモンド

基礎と基本の違いについてはこの本を読んで考えた。

欠点についてはゴルフのスイングも同じ理屈であるから、スィングは出来る限り低速度である方が望ましい。しかしゴルフでも低速度過ぎると体のバランスが取り辛くなる。ゴルフのスイングでは最低でも二つのタイミングを取るためゆっくり打つのは、スイングを分解した時のタイミングが分かっていない為、実は難しい。

難しいのはスイングにかかる時間が長いからであり、フルスイングであれば、短時間のバランスの中で、例え狂っても短時間となり大きな誤差を生まない。逆に時間が長いと誤差が大きくなる。0.5秒で5cmの狂いは、2秒では20cmになる拡大するからだ。

これらの理由から高速で振る事になるドライバーやウッドが難しいのは速度が出過ぎる為であり、ゆっくりと振る事が多いピッチやアプローチが難しいのは低速である為と分かる。

この時、バランスを取るのに重要なのが右足である事に気付いた。右足はスイング中のバランスを取るだけではなく高さも作っている、左右と上下動の二つの誤差に関連する場所だ。

右足で高さを固定する事によりフォームは安定する。安定したフォームはボールへのミートを確実にしてくれるし、前方への突っ込みや、早過ぎる右への巻き込みも防止してくれる。スイング中に右足で高さを作るとは、物理学チックに言えば、上から下へ向かう力の反力である。この反力はキックする力として感じられる。

とまれ、スイングは、自転車に乗るのと同じように、体に覚えさえないといけない。打つとは、こういう感覚だと体に覚え込ませるものだ。

肩によるスイング、右足によるキック、ゆったりとしたスイング。

2010年11月6日土曜日

練習場より 2010/11/06 - アトラトル

ものを遠くに飛ばすのは物理学の問題です。これを実現する道具としてはトレビュシェット(投石機)やアトラトル(投槍器)があります。これらの仕組みを見れば、これはゴルフへの応用が可能です。

これらの道具の特徴は、腕の先に対象を加速するもう一つの関節が加わる事で、最初の加速運動(円運動)に続き、それよりも小さい円運動が上乗せされることです。

円運動は、半径が小さいほど加速に必要な力は小さくて済みます。二重の円運動をすることで最初の加速に加えて小さい円運動がそのスピードに上乗せしてより早いスピードを加算します。ゴルフでは、最初は肩から手首までの動きで、それよりも小さな円運動が、手首からシャフト、ヘッドまでの運動となります。

最初の円運動の中心は、肩になります。トップ位置から、肩の運動が始まります。スイングの始まりは、トップ位置にある手首が下に落ちる事ですが、これはゆっくりでよろしいです。ここはゆっくりでいいのは、正確な位置にある事が大切だからです。ここでゆっくりと動くことは、静止した物が動く時に一番大きな力が必要である事と急激な加速は方向性の安定を確保できない事と関係しています。最初の動きだしは方向性を決定する準備段階であり、これはゆっくりで構わなく、その目的は停止しているクラブヘッドを重力と肩の運動により、加速するための準備を完成させる事です。

手首が自由落下に従って落ちてきたら、いよいよ、クライマックスであるクラブヘッドの運動が開始されます。このとき、クラブヘッドは手首よりも上の位置にあり、その角度は45°程度でしょう。ボールに達するまでに加速に使える角度はボールと腕の角度が90°、手首とクラブヘッドが45°はあるでしょう。この二つの角度の差は手首がボール位置に近付くにつれて小さくなってゆき、ボール位置で二つの角度はどちらも0°になります。

小さな円のほうが、誤差が生じる角度が小さくてすみますし、他の部位が固定されていれば、手首からヘッドまでの円運動だけを考えればよく、大きくぶれる可能性は小さくなります。ゴルフではよくいわれるスイングプレーンという大きな円がありますが、それよりも肩から手首までの円運動の円周上で第二の回転運動があるというイメージです。

太陽の周りを地球が回っているのが肩から腕とすれば、手首からヘッドまでは月のようなものです。このとき、トップからゆっくりと肩から手首までが動き、その先にある手首からヘッドまでを半径とした回転運動という二段階の動作となります。加速に加速を載せるという二段階で行います。ダフリというのは、第二の円運動が早く動きすぎているとも言えます。

さて、トップに位置付けるまでがしっかりできれば、基本的には、スイングはトップを作るまでの動きのリバースになりますが、これは正確ではありません。トップを作る時とスイングするときでは体幹の動きが全く違うので体の動きから見ればリバースではありません。

このような段階的な運動であると理解するよりもクラブを持ってもっとも自然な動きを試行錯誤する方が正しい動きを体に覚えさせる事が出来るでしょう、しかし、力を与えるのに明らかに物理法則に反した考え方で行っていれば、それを見つけるのも難事でしょう。

もし物理法則と相反する事を書いているようなら、アリストテレスでさえ間違いを犯しているのですから、笑ってご指摘ください。