2015年9月18日金曜日

練習場より 2015.09.18号 - 金魚のしっぽ

ゴルフスイングは、腕が体の左右に変化する運動である。これにとても類似した運動に魚の尾びれがある。どうしてこれまで其れに気付かなかったのか不思議だ。

アプローチの練習をしている時に、不意に、これは金魚のしっぽの動きではないかと思った。そうするともっと大きく振るのはアユの泳ぎだし、ドライバーならば、さしずめマグロの泳ぎ方ではないかと思ったのである。

例えば魚の泳ぎと言うのは、おもちゃの魚ではあるまいし、しっぽだけが左右にひらひらと振れるのではない。鰓から尾っぽまでの左右の筋肉を大きく使って鰭を動かしているのである。

これをスイングに例えれば、腕からクラブまでを尾びれと思えばいい。すると魚の体に当たる部分は足から首になる。

ゴルフクラブを金魚のしっぽと見做すとスイングの何かが変わる。ゴルフスイングは一度だけ尾びれを動かした時に最大の推力を得ようとする魚の運動と同じである。飛んでいくボールは尾っぽで跳ねた虫か小石のようなものだ。

水中で泳ぐ動物には他にクジラ、イルカ、アシカやアザラシなどがいる。鳥ではペンギンや、餌をとるために水中に潜る鳥も多い。微生物も泳ぐし、イカやタコも泳ぐ。もしかしたらゴルフスイングに応用できる運動をしている動物は他にもたくさん居るかも知れない。

魚たちの泳法は逆カルマン渦を生み出し水の抵抗を最小にするまで発達しているが、ゴルフスイングは水中でするのではないし空気抵抗を気にするほどのものではない。

尾びれの動きはどのようなものかと言えば、銀杏の葉(東京都の紋章)のような形をとる。ここで重要なのは、三角形ではないと言う事である。先に行くほどしなって円周が大きくなる。この距離を長くすることにはそれなりに意味があるはずだ。


尾びれは水の抵抗と対抗して推力を得る。そのため抵抗に対抗するだけの柔軟なしなりがあればよい。運動の主体は魚ならば胴体、同様に人間でも胴体になるはずである。

動く主体である胴体を、魚で例えてみよう。最初に右側の筋肉で尾びれを右側に引き、水を掻くために左側に動かす。この時、水のような強い抵抗をイメージした方が分かりやすい。もし可能ならサウナの水風呂で水を掻いてみれる。

いずれにしろボールが飛ぶのは結果であって因果ではない。ゴルフクラブの因果とは、推力を最大に得るような金魚の尾っぽ、フナの尾っぽ、ツナの尾っぽの動きであって、ボールはたまたまその軌道上に置いてあったゴミのひとつに過ぎないのである。つまり空気や水の分子などと同じ立場に過ぎないのだ。

背中側の筋肉をとても重視する。特に、広背筋、脊柱起立筋が主体となりそうだ。

この時、主体部分がふらふらと動くのは良くない。止めておく方がいい。その方が右から左への動きはうまくいく。魚で言えば、頭をふらふら動かして泳いでいる魚は少ないという事。頭は動かさず、更に言えば、速く泳ぐ魚は、体だってそんなに大きく動かしているものではない。

でんでん太鼓をイメージして回転を考える人もいるが、おそらく魚は、尾びれを回転させようと動かしてはいないと思う。それと同じことがスイングでも言えそうだ。

ま、マグロなのはタイガーとかミケルソンのスイングであって、我らアマチュアゴルファーは金魚のしっぽですよ。ゆらゆらと揺れる尻尾のようなスイングで十分じゃないですか。鮒の泳ぎができるならこれはもう名人です。

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