2015年4月16日木曜日

練習場より 2015.04.16号 - スイングは回転ではない

トップはクラブの位置エネルギーを獲得する。それと同時に体重を右足に乗せる。

人間は二本足であるからスイングの時には右から左へ荷重が移動する。人間の歩行が恣意的なバランスの崩れから、重力で倒れる力を利用して前に進むのと同様に、体重の移動は基本的に安定性を損なう動きである。

同様にスイング中に荷重を変える動きはスイングの方向性を悪くする因子と思われる。

方向性を重視する時は右足に乗せた体重を成るべく移動させない方が宜しい。逆に距離を稼ぎたい場合は右足から左足へ荷重を移動しパワーを生み出すのが必然だろう。

しかし体重移動がクラブと同じ方向に同じ速度で同じタイミングで起きるのは望ましくない。左に向かって加速するクラブと体が完全に一致するのは、同じ速度で同じ方向に動く物体が止まって見えるのと同じである、つまりエネルギーは与えられない。

クラブが運動するには引っ張るか押すかしかない。それを最初にするのは体であることは間違いない。しかし、ロケットが上昇するにつれ不要なものを切り離すように、体もどこかでクラブの運動から切り離されなければならない。

クラブの動く速度は秒速 40m 以上、144Km/h。それが一秒未満でトップからフィニッシュまで通り過ぎてゆく。それを体が追い駆けるのは無理である。もし追いかけるならそれはクラブを加速するどころか減速するだろう。

左足への荷重の移動は、回転力を与えるためのものではあるが、例えば、モーターが回ってクラブを回すようなものではないと思う。



体が先行してクラブを動かし始めたとする。その後にクラブは体の回転速度を遥かに凌駕し追い抜く。追い抜かれた後はクラブの運動を妨げないようにしなければならない。クラブは振り抜かれるが、体を振り抜く必要はない。

どちらかと言えば、追い抜かれた時に体の回転を止める。止まった場所で梃の支点となる。「私に支点を与えよ。そうすれば地球を動かしてみせよう。」地球さえ動かせるのである。クラブの加速など軽い。



右脚から左脚に荷重が移動するのは、クラブの加速が始まる前ではないか。右から左に移動する体重を左足が受け止め踏ん張る。ここにクラブからの力も加わり左足は反力を返す。それがクラブの加速をさらに促す。

スイングの重心が真ん中にあるように見えたとしても、それは止まっているからではない。回転の中心が真ん中だからでもない。様々な力の合力が、真ん中でバランスを取っている結果であって、それが合力したら0になっているに過ぎない。
  1. トップでの右足への荷重
  2. スイングでの左足への荷重
  3. クラブの左へ働く力
  4. それを受けて耐え反発する左からの力

更に練習は続く。

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