もし君が、みどりのザクに乗るのなら赤いヤツと同じように動かそうとはしないことだ。
エンジンの回転数からして違う。こちらが4000回転も回せばブローアウトなのにあちらは10000回転でも余裕だ。
赤いやつのつもりでアクセルを踏み込めば、こいつはすぐにレッドゾーンでエンジンは異常音をたて始める。シャーシの強度もそれほどないから、震動も激しい。
このみどりの機体は、君の思う全力を受け止めるようには設計されていない。この機体はあらゆる兵士があらゆる場所でそれで十分な活動をするように設計されている。
その違いが分かってないと君は戦場でこいつを使いこなす事はできないだろう。
もし君が、浜崎あゆみ(仮名)の夜のお供を命じられても断れ。君の普通は当たり前だが、例え生涯最高のパフォーマンスを発揮したとしても、きっと彼女を満足させる事は出来ないだろうから。
彼女の海千山千の経験は、想像する限り、君の全てで当たったとしても、なんら功を奏すまい。
もしかしたら、本当の彼女は違うかも知れないので、そこに賭けてみてもいいが、恐らく君は、嘲笑と失笑と絶望の朝を迎えることになるだろう。
ゴルフクラブも同じだ。
この汎用丘陵決戦兵器もまた、多くのゴルファーに合わせた設計がされており、君の全力を受け止められるようには出来ていない。
汎用であるとは、君のくせを許さないということだ。くせをなくして使うことで初めて威力を発揮できるように設計されている。
プロは自分の体格、筋肉、筋肉の質、くせなど含めて自分専用の(あかい)クラブを持っている。しかしそのクラブでさえ、彼、彼女らの100%を受け止められるかは疑問だ。おそらく100%のスィングを受け止めパフォーマンスを発揮するクラブなどこの世界に存在しないだろう。
それはクラブ開発者の見る夢だ。
プロでさえ一般に売られているクラブでは十分な成績を残す事はできないだろう。自分専用のクラブなら簡単に出来る事でも、誰もが使えるように調整されたクラブでは難しい。自分のクセを強く出さないように加減してクラブの許してくれる範囲で使ってゆかなければならないから。
昨日買ってきたそのクラブも、中古屋で見つけたクラブも、どれもこれも君の100%を受け止めるようには作られていない。せいぜいが50%、それがクラブの限界だ。
それ以下であれば、クラブは期待された通りの性能を発揮する。その能力だけでシングルになれるポテンシャルを持っている。
もしそのクラブに君の全力をぶつけるなら、機体はその力に耐えられず、震動を起こし、照準も外れ、射程も合わず分解してしまうだろう。そのような制御不能な機体で戦場に出ても撃墜されるのが落ちだ。
それは十分に良い機体だよ。機体のスペックを十分に発揮できるようにアクセルワークに注意さえしておけば今の君の能力なら十分に受け止め、戦果をあげ、生き残らさせてくれるはずだよ。
アクセルを踏み過ぎてる、熱くなりすぎてる。すると、その機体は君の50%の全力を受け止めるのが精いっぱいだし、疲れきって、ふらふらになった君を助けるだけの能力も持ってはいないんだ。
それを肝に銘じて出撃してくれ給え。
0 件のコメント:
コメントを投稿