2017年5月21日日曜日

練習場より 2017.05.21号 - トップを支えるのは右腕である

トップの構えをする。その時にクラブを支えるのはどこか、という話。

左腕は右に回しているので下からクラブを支える事は難しい。となると、残るのは右腕しかなく、肘を曲げた形で下からクラブを支えているのは間違いない。つまり、クラブの位置エネルギーを保存しているのは右腕である。

ここから位置エネルギーを開放してクラブに運動を行わせるのだが、この時、何が重要と言って、右腕の存在である。それまで止めていたものが動き出す以上、いつまでも止まろうとする力は解除しておかなければならない。右肘が曲がったままでは、ひょっとすると肘を曲げる筋肉はずうっと緊張状態にあるかも知れない。筋肉の慣性というものがあってそれは無視できない現象である。

ここからまっすぐにするためには、少なくとも筋肉の緊張は解いておく必要がある。ただし無力にしておくことと、積極的に伸ばそうとするのは違う話であって、右ひじを伸ばそうとするのなら、これは曲げるのとは反対側の筋肉を収縮させている。

意識してまっすぐのにするのは多分正しくない。右腕を伸ばすというよりも、曲げているのを止めるだけで宜しい。

トップからスイングに切り替わるとき、右腕の緊張状態をほどく。力を0にする。この力を抜くという所作がとても大切。もちろん、力を抜いたからと言ってだらりとクラブが下がってくるようではいけない。死んでいるのではないのだから。

気付かないだけで力は掛かっているのである。だが意識としては0。次の動作を邪魔するような形で緊張しっぱなしにはなってはいけない。

そのうえで、スイングは上下方向の運動であるという事。左右の移動ではない。クラブが下に向かう以上、反力は上にくる。この上にくる力にきちんと対応できるスタンスでなければいけない。多く、これを左右の回転として処理するからスイングは間違っているのだと思う。上に向かう力を支える体勢というものがある。左右ではない。このような物理的な要請が体の姿勢を制限してくるという考え方である。

制限というより、強要と言った方が正しいかも知れない。この力学が求めるものに対して、水が容器の中で自由に形を変えられるように、我々の肉体はこれに答える能力を持っている。

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