そこで、ある瞬間での状況はどうあるべきかという視点と、全体の流れとしてかくあるべきというふたつの視点が必要だろうと思うわけである。
- 瞬間の動き
- 流れとしての動き
つまり、始点から終点までの経路において、どれもが通過点である。運動は通過点の連続として記録できるが、しかし、通過点の再現だけでは不足である。なぜなら人間が意識して生み出せる状況は、運動がもつ最小単位と比べれば極めて大きすぎるからである。
たとえば、自然数は1,2,3と+1づつ増加するが、人間はそれを100単位でしか認識できないようなものだ。100,200,300というように意識は把握するが、その間にも認識できない連続点が存在する。流れで把握するとは、この定点観測された値の間を埋める作業といって良いだろう。液晶の倍速駆動みたいなものだ。
ゴルフスイングでは、腕が折りたたむ事を第一義の目的とする。腕をきちんと折りたためる様にスイングする為に、トップの位置から、折りたたむための流れを作り出さなければならない。ヘッドがボールに当たって飛ぶ現象など、その余暇に過ぎない所作である。
これは車でカーブを曲がる時にカーブの入り口から出口を意識するのと同じだ。高速道路の R に応じて、進入速度もハンドルの切り方も決まる。もしそれを見誤れば車はカードレールか崖の方に向かって走って行くであろう。つまり出口によって入口は制限される。これが流れでつかまえるという事である。
腕をきちんと畳むようにスイングする。それを意識するためには、トップからボールがどういう風に通過して最期に折りたたむべきかが自然と分かってくる。それが絶対に守らねばならないリズムと定義する。それに加えて、手首のコックや、トップの高さ、スイング速度を工夫して力を上げてゆく。
これ流れによるスイングの基本である。そこで更にスイングを強化するには、どういう必要性があるか。まずは腰を入れる動きが必要である。軌道を狂わせない限りにおいて、腰を入れることで力が強く伝わる。
スイングで腰を入れるとはどういう動きか。それは力の方向が一体になる瞬間を作ることだと思う。どこかで体が一体化する。力がある方向に向かって一直線になる。そういう感じがする。
作る場所は様々な地点があって、トップから降りた直後、ボールに当たる直前、ボールに当たった後。それらの地点で体が一本の棒になるかの如く、硬直するというか、力が加わって、停止する瞬間というか、そういう点を作る。
スイングからその地点に全ての力が移動して、その地点で一気に力んで、そしてまた解放されるような感じ。単純に言えばある瞬間に思いっきり力めという事である。ただしその前後で力んではならない、という点が難しい。
色々試した感じでは力むのはボールに当たった直後が良いようだ。しかし、ボールに当たる前でも、トップ直後でも良さそうに思われる。この力んだ時を腰が入ると呼ぶ。
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