2018年3月25日日曜日

練習場より 2018.03.25号 - 真ん中

目標に対してスタンスをとるとき、どのように真ん中を決めているか。

ひとつ目は深く考えずに思うままに立つ。これは感性を信じるやり方であって、感覚が正しい限り、体の傾きや左右の偏りも含めた全ての中でのベストな中点を見つけるであろう。これは複数のベクトルを合成するような方法である。

飛行線に対して平行に立つことが正しいスタンスとは言い切れない。もし平行である事が正しいのであれば、目標とボールを結んだ線上に目標物を見つける。その二点と平行になるように立てばよい。この場合、感覚は必要ない。

だが、平行に立つ事が上体の並行を保証するわけではない。体の偏りを加味した上で真ん中に置こうとするなら、両側の筋肉の力加減も同等にすべきだろう。だが人間の体は左右でも偏りを持っているものである。

原理的には骨や筋肉などの固定物の重量、腸の中にある消化物の位置なども影響する。左右で骨の重量が全く同じとは言えないし、筋肉の左右で発達の度合いも異なる。それらが左右の偏りを生む。

人間の体は前後では対象ではない(内臓も含めれば左右でも対象ではない)から、偏りが出るのは当然である。すると主に前後左右で四分割してバランスを考える事ができるが、その全体のバランスをたった0.1秒の中で取る(スイングの開始から終了までの時間)など人間の随意筋では不可能だ(神経の伝達速度は0.01秒/mだがそれ以外が間に合わない)から、瞬間にバランスを取るというよりも、予めこうすると決めた経路に従って運動していると考える(反射的な微調整をしていないという意味ではない)。

つまり、予めスイングのプランは用意されているのである。

それでも両側にかかる緊張状態を同じに意識する事は、スイングの力を抜く事に結び付く。余計な力をかけないように意識できる。必要ない筋肉は力を抜いておく。必要な時にだけ動かす。働かない筋肉の緊張は解放しておくこと。

どこをどのように、+するか―するか。これは意識がする仕事ではない。意識にできるのはただ力を抜くことだけである。余計な仕事はしない。それを最も邪魔するのが意識である。

ゴルフスイングとは動かさない方がより動くという追求である。

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