2016年12月18日日曜日

練習場より 2016.12.18号 - 肘

思うに、クラブの軌道はボールの飛球に大きな影響を与えるものであり、よってスライスやトップの原因になるものは、左腕だと思われる。

左腕を右から左に回すには可なり高度な運動が必要で、例えばアニメに登場するロボットでこの運動ができる構造のものは一体もない。出来ているなら、どこかにマジックを使っているはずである。なるほど、人間ほどボールを上手く投げられる動物はいないという話にも納得である。

投石は人類における最初の武器革命であったが、現在でも、デモや騒乱において投石は有効な攻撃方法である。手榴弾は手投げできる武器であり、今も配備されている。グレネードランチャーは手榴弾をより遠くに飛ばす装置で、旧陸軍は八九式重擲弾筒という優れた装備をしていた。徴兵された職業野球人が投げるばかりではなかったのである。

何かを投げることに特化したポジションには、野球、ソフトボールのピッチャーや、アメリカンフットボールのクォータバック、やり投げ、砲丸投げなどがある。一般的にものを扱うスポーツには投げる能力が必要である。射撃やモータースポーツなど一部を除けば、釣りは言うに及ばす、サッカーでさえ投げる必要(スローインなど)がある。

いずれも、後ろから前への腕の振りで投擲するのだが、腕の振り方によっては故障の原因になる。当然だが、フォームの良しあしは投擲の速度や距離に影響する。

で、何が言いたいかと言えば、肘の重要性である。

ゴルフのスイングは右から左への動きだからスポーツの投げ方としては一般的でない、それはスキーとスノーボードのように前向きと横向きのスポーツの違いと同じである。つまり、スタンスの違いはあっても、従うべき物理学は基本的に同じなのである。投げる以上は肘が重要なことに違いはない。

投擲は肘で行う。

ピッチングは肘を曲げた所から延びるように動かす。野球であれソフトボールであれ同じである。いずれも投擲の最後の段階で、腕を伸ばし軌道半径を長くし移動距離を増やす。これによって、力を与える時間を稼ごうとしているのである。ボールに十分な速度を与えるにはある程度の距離を必要とするからである。

正しくボールを放り投げるためには、肘を引くようなスイングをするのは良くない。だが、何故かそういうスイングになっている。

何故か。その理由は自明であって、そうしなければ腕が上手く畳めないからである。何かが動きを邪魔している。それが解消できないので、仕方なく、腕は迂回経路を通り、その結果、肘を引く動きが必要となり、その結果、肘の畳み方も狂ってくる。

原因がどこにあるのかは未だ分かっていない。それがスイングの初動にあるのか、それとも、途中にあるのかさえも。

これが現在の課題である。それでも、原因を遡りこれ以上ないという所までいくしかないと思うのである。

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