2014年11月30日日曜日

練習場より 2014.11.30号 - 肩甲骨

練習場だけが練習場ではない。どこに居ても練習場となる。そこに気付きがあれば。

その日は葬式だった。僕は長く椅子に座っていた。居心地が悪い。もぞもぞと動いたり体を揺らしたりしながら体勢を整える。そして不意に気付いた。

肩甲骨を背中に立てるようにすれば体が楽になる。長く座っても苦痛にならないと。これはゴルフのスイングにも影響を与えるだろうと直感した。

「体の前」が正面の事か、ゴルフのような横向きスポーツでの進行方向である左側を指すのか、と同様に「立てる」も紛らわしい言い方である。上の方向であるのか、体に対して垂直であるのか。もう少し説明を要する。


「肩甲骨を背中に立てる。」
  • 肩甲骨の下側を背骨側に引く。
  • 座った状態で肩甲骨の下側を背中の筋肉に載せるようにする。
  • 肩甲骨の下側を背中の筋肉と背骨の間に入れ込むようにする。

人間は骨盤から背骨が伸びている。背骨から肋骨が伸び、背中側には肩甲骨が配置されている。肩甲骨は肩から靭帯でぶら下がっている。関節ではないので動く自由度が高い。肩からぶら下がっていると見るか、背中の筋肉の上に載せているかで感じが違う。
  1. 肩甲骨
  2. 肋骨
  3. 骨盤

胸を張るとか、背中をまっすぐに伸ばすと言う。これを言葉通りにしようとすれば、胸を張るは背中の筋肉を縮める動きであるし、背中を真っ直ぐにするのは背骨を伸ばす動きに思える。でもこれは正しくないと思う。背中の筋肉でどうこうするものではない。

能の立ち姿は、胸をはり、お尻を出し、膝を曲げるという形をとる。これは肩甲骨を背中の上に立てている形だろうと勝手に思っている。

ボクシングではガードのために両腕を前に出す。すると猫背のような形になりやすい。猫背は肩甲骨の上側が背中とくっつき、下側が浮いた状態だと思う。肩甲骨が背中に対して斜めである。

腕は魚の鰭から進化した。もともとお腹側の側面にあったものを体の両側に移動したのが腕の進化である。四足歩行の馬の足は前後に動く。体の側面に肩甲骨があり、肩甲骨に胴体をぶら下げている。鳥は細長い肩甲骨で羽の上下の動きを支えている。

肩甲骨は魚類にもある由緒正しい古い骨である。それが多くの生物で多様な進化をしてきた。それだけ腕を動かすのに重要な役割を果たしてきたのだ。ということは使い方は様々で重要であるので、使い方が下手であっても十分にその機能を果たすように進化してきたはずだ。もっと上手な使い方をすれば高い潜在能力を引き出せる可能性が高い。

肩甲骨には肩を動かす筋肉が繋がっている。筋肉は必ずふたつの場所と繋がる。その繋がる場所は骨と決まっている。つまり骨と骨を繋ぐものが筋肉である。筋肉が運動の力を生み出す。それを支えるのが骨であるなら、自由度の高い肩甲骨の存在は、スイングに与える影響も高いに違いない。

この考えの正しさは保証できない。またこの先で全く違うことを書くかも知れない。しかし、これに気付けたのは普段とは違う場所へ行ったからであり、普段とは異なる経験をしたからであり、その体験での気づきなのでここに書いておきたい。

@seealso
肩甲骨~‘つなぎ’の骨~(その1)- Olivia's Room
日本理科美術協会 -2014.2.1『細長い肩甲骨・・・鳥とモグラの前足の話』松本晶

2014年11月16日日曜日

練習場より 2014.11.16号 - もっと右に深く

どうやらグリップで左腕が浅かったようである。左手の親指と人差し指が作る V 字が右肩を向くのなら、グリップは手首をもっと右に回すべきだった様である。

恐らく違和感があるはずである。グリップを変えればスイング全体に影響を与えるからである。そしてその違和感をなくすにはスイングの方を変えるしかない。

スイングの中にグリップがあると言うより、グリップがスイングを規定している。スイングに違和感があるなら、グリップがスイングと合っていない可能性がある。逆に言えばスイングを変えれば新しいグリップを受け入れられる可能性がある。

グリップで違和感がないようにするには、スイングの方を見直すか、スイングに合ったグリップを探す、という事であろうか。

2014年11月13日木曜日

練習場より 2014.10.13号 - 手首を小指側に曲げると腕は伸びる

グリップを変えた理由はばね指であった。指を痛めるのはスイングがおかしいからである。根拠はないがそう確信している。

インターロッキンググリップに戻した。すると左人差し指にマメができて潰れてしまう。シャフトがおかしな形で指と擦れてに違いない。

とあるサイトによればグリップの基本は次の形である。人それぞれの骨格や長さなどにより違いはあるとしても。

  • グリップした時に左手の人差し指と親指の間の V 字が右肩を向く
  • 右手のそれは右肩を向く

【ゴルフ】韓国代表監督が伝授する「正しいグリップの握り方」

さてスイング、指に無理な負担を与えているのはスイングのどの時か。恐らくインパクトからフィニッシュまでのクラブが方向転換する時、減速をする時だと思う。この時にクラブが指に当たって方向転換をしているのだと思われる。

ゆっくりと振ってみる。クラブはどのような動きをするだろうか。クラブの動く方向に人差し指がないのはどういう動きの時かを探してみる。

するとインパクト時に手の角度を変えてみればいいのではないかと気付いた。ボールのインパクト時には手首を小指側に折る、親指側を伸ばす、そうすることで人差し指と親指の間をクラブが抜けていくのではないか、と思ったのである。

手首を伸ばせば、腕も伸びる。これは肩から腕までが最も長い (伸びた) 状態になる。手を伸ばして人差し指と親指の間の V 字部分をクラブが通るようにする。ここならばクラブと当たるものがない。別の言い方をすれば、手の甲の向きを意識するものかも知れない。

それから注意してスイングをしている内に不思議な現象に気付いた。スイングが全く変わってきた。左腕を伸ばすという事が、クラブの軌道も、打つ時の感覚も変えたのである。それは、斯くある以上は斯くあるべし、という自然さを伴った変化であった。

更には気付く。もっとも腕を伸ばす場所はボールと当たる瞬間ではない。脳が信号を出すのに 0.02 秒が必要だと言う。その分の差だけ前もって始めなければならない。でなければ実際の物理動作に間に合わない。意識的にはボールに当たる前には伸ばしきっているつもりでないと、クラブのスピードに追いつけないのである。

腕を伸ばす事に注意すれば次に体幹が左右に動かなくなる。左右に動かすと腕を伸ばせないからだ。

こうして腕の伸ばし方にフォーカスしたスイングを始めると、体の下側をクラブが通らないといけないし、体の直ぐ近くを軌道にする必要が出てくる。また左肩から手までを伸ばしきるには左肩が動いてはできない。手が伸びると左手の上を右手が抜けやすくなる。これは右手が左手を追い抜くタイミングとも一致するだろう。

バネ指になってから軽く握って、軽く振ろうとする。今まで固く握りすぎていたのかも知れない。スイングもゆっくりとなる。しかしゴルフたるもの、思いっきり振った、という満足感がなくて、何のアマチュアであろうか。それでスコアも目指す、そういう自己満足が欲しいのである。

するとバネ指は更に悪化するかも知れない。そうならないと僕は考えを改めないのであろうか。これを愚か者と呼ぶのであろうか。

2014年11月9日日曜日

練習場より 2014.11.09号 - 傷めないグリップ

グリップを変えたのは指にマメがよく出来るからであってベースボールグリップはその解決策であった。その結果、今度はバネ指になってしまった。

こうなると原因はひとつしかない。スイング中の手の動きがおかしい。少なくともクラブの動きに対して指に余計な圧力が掛かっている。フィニッシュに向かいクラブが減速したり軌道を変える時に指で受けていると思われる。

指がそれらの力を受けているという事は、力を減速させたり、方向を変えたりする時の障害物になっていることでもある。

それは今のスイングでは力を上手に逃がしていないという事も意味する。

いずれにしろベースボールグリップは止める。

グリップを軽く包み込むように持つ。クラブをゆっくりと振ってみる。どこで余計な力が指に掛かっているのか。

すると左肩を十分に開いていない事が分かった。開きが弱いために指がクッションとしてスイングの力を受け止めていた。

更にはスイング中の手とクラブの角度、クラブの動きがどのように方向転換しているのか。

この辺りが上手くないために指に余計な力が掛かっているのだと思われる。

これが今週の課題である。