おそらく、骨への意識がコツである可能性は高い。体を動かすのは筋肉である。しかし筋肉は軟体である。それはウミウシを見ればわかる通りだ。
骨の進化は、機能の獲得である。もちろん進化に方向性はあっても目的はない。より環境に適応した形状が残り、そうでないものは失われる。否、再び環境が変れば獲得し直される可能性もあるので隠されたと書く方が適切か。
生物は獲得された形質を利用、応用するのみであって、形式を自由に獲得できる訳ではない。見事に適応したと思われる形姿ではあっても、それは意識の具象化ではない。形質の巧みな利用のはずである。
さて、骨、ここでは内骨格の事であるが、骨の力学的利用には次のものがあると考えられる。
- テコ
- 振り子
- 重心移動
- 方向転換
- 回転
- 井桁
テコは小さな力を何倍にも増幅したように見せるものであり、地球でさえ動かせられるこの働きを利用しないはずがない。振り子は安定性と位置エネルギーの利用である。やじろべえのようにバランスを取るにも使われる。
骨は重さを持ち、また固定されているので重心の移動は関節を中心とした円軌道になる。また持ち上げた所から落す事で位置エネルギーも利用する。
複数の骨が協調する事で、向き、方向を変える。方向転換も回転運動であろう。またパンダグラフ(井桁)のような伸縮構造もある。
これらの運動は全て筋肉だけでは難しい。硬い骨を利用するから出来る事である。
さて、スイングにおける骨の重要性もまた同じである。ゴルフスイングは立って行う。これは位置エネルギーをより多く獲得するためであろう。その為には足の骨から背骨までがこのエネルギーを支えなければならない。
トップからスイングに移行する時、クラブは振り子として振舞う。振り子として動く方が安定性は高いと思われる。
振り子として動く場合、頭がフラフラすると重量があるため他の動きに強く影響する。どちらかと言えば、頭はカウンターウェイトとして働く。
トップでは背骨の左側を意識する。この意識はスイングによって背骨の右側に移動する。左側の緊張が右側に移るだけの感覚である。背骨(高さは肩甲骨と同じ当たり)はその場所に留まり、左から右に移動するだけの感じである。これと対称して右から左へクラブは移動する。フォロースルーもスムーズになる気がする。
思えば女の背中が魅力的なのも背骨があるからである。背骨はこれほど迄に大切な骨である。魅力的なのである。
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