背中が痛い。特に左側の肩甲骨周りが張っている。これは姿勢のバランスが悪いせいだ。右と左のどちらかに重心が偏っているのが原因だと思う。
この偏りはスイングにも影響するはずで、よく使う側を中心にスイングをしているに違いない。左なら左中心で、右なら右中心で。そう自然に任せるのではなく、トップを作るまでは左側を、それからトップで右に意識して切り替えるのではないか。
「小説で弓を扱いたい方」のための弓道講座(阿井上夫) - カクヨム
によれば弓道には「早気」という病があるそうである。打ち急ぎとでも呼べばよいだろうか。弓道には「中るまで離すな」という格言があるそうで、指から矢が離れた時には既に当たっているべきなのである。
あらゆる諸条件を満たせば、その先は予測可能である。運命論というべきか、引かれたレールの上を走る電車のように、決定論的な世界である。今の行動が未来を制する。因果応報でさえ決定論的である。飛んで行くボールの未来はかなりの高確率で計算可能である。
こういう格言は謂わば古典物理学に準ずる。この因果律が20世紀の物理学によって圧倒的な正確さで破壊されてしまった。それは存在論を哲学から物理学の議論に変えた。もっとも根底にあるものさえ疑わなければ物理学は先に進めない。神がサイコロを振るとしたら我々はこの世界をどう理解すればいいのか。
量子力学には確率が入ってくるので従来の考えは通用しない。量子で弓道をしたら「中るまで離すな」という格言は意味を持たないはずである。所が、現実世界では量子で弓道をする施設があって、そこには継矢しか狙っていない連中がたくさんいるのである。
強力な磁力を使って軌道を制御する CERN などの加速器がそれで、そう考えると、命中させるのが上手い名人なんてのがそこにも居そうである。計算に納得するまでスイッチは押すな、とかの格言があるかも知れない。
いずれにしろゴルフは古典力学の世界である。なぜかは知らないが現実はニュートン力学だけで十分な世界である。当たるまで打つな、は成立する。
弾道が見えてくるまで打つな、になるだろうか。しかし、ゴルフは自然の中でするスポーツである。思った通りの軌道を飛んだとしても、いきなり風が吹くかもしれない、周辺より湿度の高い空気の層があるかも知れない。落ちた場所がどうなっているかなど見通せるものではない。悪くなる理由は幾らでもある。更には、人間の都合もある。昨日まで出来ていた事が今日は出来なくなる。怪我をする。タイガーウッズを見ていれば分かることである。
プロと呼ばれる人は、そもそも選択肢が少ないのではないだろうか。アマチュアや素人がどこを見てよいか分からない時に、プロはある場所を見つめている。我々は分からないから、あちこち全部を見ようとする。またはどこも見ていない。
全てを考えるのは物理的にも能力的にも不可能であることくらい、素人が考えても分かるので、全てを知ってプレイするなど誰にも出来ない。重要な情報は入手しなければゴルフにはならないだろうが、情報の多さだけで決定的に有利になる話でもない。
考えなければならないが、考えた所で意味がないかも知れないし、考えない方がよいかも知れない。
未来のコンピュータは力業で全てを読めるようになっているかも知れないし、小難しい計算をするのに対数を利用する必要もなくなるかも知れない。だが我々の脳がそのような能力を獲得する将来はない。
だから、人間には選択肢を正しく少なくする能力が必要になる。ここに個性が出る。可能性のある選択肢の全てに取り組む余裕はない。だから選択肢を選ぶためには、出来るだけ選択肢を少なくするしかない。
アマチュアは余りに多くの選択肢の前で立ちすくんでしまうか、たったひとつしか選択肢が用意できない。
選択肢を用意する能力を鍛える。幾つかの選択肢が目の前にある。選択肢に見落としはないか。どこまで選択肢を狭めるのが適切か。そういう訓練が必要かも知れない。無理にでも捻りだせ。選択肢が少ないとき、人は鈍するものである。
2017年7月16日日曜日
2017年7月9日日曜日
練習場より 2017.07.09号 - 小胸筋
人は円運動のモデルとしては、真っ先に太陽系をイメージする。量子力学の天才たちも当初は電子の軌道を太陽系のような軌道と見ていたのだから、これは仕方のない話である。
だからゴルフスイングにおいても、太陽という恒星の周りを天体が回るように、クラブという天体が体幹という太陽の周りを回っていると考えるのが適切である。と考えるのに不都合はない。
だが、実際のスイングではスイングの中心が体幹の中にあるとは限らない。スタンスや上半身の角度にもよるが、重心は、体とクラブの間に位置しているように感じられる。これをモデル化するならば、連星に例えるべきだろう。体幹という主星、クラブという伴星というモデルである。
いずれにしろ、スイングの軌道は天体の動きほどきれいな楕円軌道ではない。関節が様々なベクトルを与える。それぞれの駆動域が少しのタイミングのずれで角度や方向を大きく変える。それが全体の運動にも大きな影響を与えるのである。
その中のひとつかも知れないが、右の小胸筋が重要でないかと思う。この筋肉が開いているか、または閉じているかでスイングは大きく変わる。フィニッシュの形ではこの筋肉は閉じているが、ではどこで閉じているのか。逆の言い方をすれば、いつまで開いておくべきか。
スイングが右から左への移動である以上、右胸は開かれ、背中は縮まった形から始まる。この時 小胸筋は開いている。次に、右腕が下に降り、左肩は右から左に動く。この時 小胸筋はすぐに閉じるのではなく、ある程度は開いた形を維持しているようだ。そう思った。
だからゴルフスイングにおいても、太陽という恒星の周りを天体が回るように、クラブという天体が体幹という太陽の周りを回っていると考えるのが適切である。と考えるのに不都合はない。
だが、実際のスイングではスイングの中心が体幹の中にあるとは限らない。スタンスや上半身の角度にもよるが、重心は、体とクラブの間に位置しているように感じられる。これをモデル化するならば、連星に例えるべきだろう。体幹という主星、クラブという伴星というモデルである。
いずれにしろ、スイングの軌道は天体の動きほどきれいな楕円軌道ではない。関節が様々なベクトルを与える。それぞれの駆動域が少しのタイミングのずれで角度や方向を大きく変える。それが全体の運動にも大きな影響を与えるのである。
その中のひとつかも知れないが、右の小胸筋が重要でないかと思う。この筋肉が開いているか、または閉じているかでスイングは大きく変わる。フィニッシュの形ではこの筋肉は閉じているが、ではどこで閉じているのか。逆の言い方をすれば、いつまで開いておくべきか。
スイングが右から左への移動である以上、右胸は開かれ、背中は縮まった形から始まる。この時 小胸筋は開いている。次に、右腕が下に降り、左肩は右から左に動く。この時 小胸筋はすぐに閉じるのではなく、ある程度は開いた形を維持しているようだ。そう思った。
登録:
投稿 (Atom)