クラブが生み出す軌道は感覚として合点がゆく場合もあれば、論理的に予想と合致する場合もある。いずれにしろ、秒速40mの運動に対して人間の動きが其れに追い付く事はない。だから体の方がひっぱられているはずである。よって自分なりの理解というのは、恐らく当たってはいまい、という予測はかなりの確率で正しい。
その証拠として理由も分からずフックが多発する。これがドロー、フェードならまだ許されるがフックだのスライスだの、超弩級だから堪らない。
新しい何かに変えようとしてるので昨日までの形に戻せない。どうしようもなくなると理論体系にすがり付きたくなるが、元に戻せる類のものではないから 試行錯誤を重ねて新しい調整が叶うよう努める。例えば、ショットにおいて、真後ろから直線的な軌跡で打とうとする。真っ直ぐに侵入すればボールも真っ直ぐに飛ぶだろうと考える。
しかし感覚がまっすぐと訴えている場合、体の動きの見落としや無意識の調整は含まれない。真っ直ぐな積もり、に過ぎない事もある。真っ直ぐな積もりが、実際は腰の回転等によりアウトサイドインの軌道で、つまりスライスとなる。
それで訂正しようと後ろ気味にトップ位置を取ろうとしたら左肩の回転と右腕の動きが連動して今度はインサイドアウトのフックとなってしまう。
これらの解決法は、「両腕を一つのもののように同調」をイメージにする事で、それは結局 両肩を主導としたスィングにする事である。そのこつは「両脇を浮かせない」に尽きるのだが、ここで重要なのは両腕の伸び。両腕が伸びた状態では上体の沈み込みでダブりやすくなるから沈み込まないように注意する事。沈み込みは、大概は力みから起きる。
かように、練習中は妄想が浮かんでは消え、消えては浮かび、まるで行く川のうたかたの様。
行く川のながれは絶えずしてしかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたはかつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかとまたかくの如し。
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