コツというものは、ある日、何かの拍子に気づくものだ。どこかに力を入れる、タイミングを少し待つ、そういう何気ないものが、上手くいく理由になる。それは基本的に不思議である。何故かわからないけれど、こうしたら上手くいく。これが進化の過程で生命が見出した秘策である。
コツには、何か決まった方法があるわけではない。誰にでも通用する真実があるのでもない。そういう固定するものではない。
コツとは、最も効率よく何かを動かすためにこちらの側が向きや位置を変える事である。変えるのが目的ではない。もっとよく体を活用するのは結果がいいからだ。
よって、それは流動的であるし、微調整さえるものであるし、状況によって、体調や疲れ方によって、変わるものだ。
それでも一度コツを掴んだらあらゆる状況に対応できる。自転車に乗るのと同じである。そういう意味で、脳はコツの真実を知っているだろうが、意識は知らないのである。コツとは、脳に任せる意識の事かも知れない。
そういう意味では、こういう場合はこうすればいい、このタイミングでああすればいい、という理解ではまだ足りなくて、状況の変化には対応できないようだ。
コツを捕まえたと思ったり、また違ってみたり、スイングとは難しい。何よりも、スイングには、もっとよい形があるはずだと日々変えたちという願望、欲望、野望がある。
だから、コツを掴んだと思っても、次の日になれば、もっと他はないかと捨ててしまう。またはその上に更に何かを築こうとする。
いい事なのか、悪い事なのか、それは知らない。だけど、だから、楽しい。