姿勢が重要である。スタンスを見れば、どのようなスイングをするかも分かる、と岡本綾子も言っていた。仙人ともなれば、立った姿、歩く姿勢を見ただけでも、どのようなスイングかは分かるようになるだろう。
姿勢は静的である。だから姿勢だけでは足りない。人は歩くという動的な行為を通じて体のバランスを取り戻す。
頭の重さを下から支えるには背骨を重力に対してまっすぐに受け止めなければならない。重心は鉛直方向に下にかかるものだから、その真下に配置するのがよい。頭が傾くとしても一時的(Temporary)な状態であって通常は背骨の真上にあるのが望ましい。
首は、一般的には頭から7つまでの骨とされている。だが、機能的に見れば、頭から、もっと下、肩甲骨の下辺り、くびれ辺りまでの区間を首と呼ぶべきだと思う。
一方で、上半身全体を支えるのは腰である。肩や背中に過負荷を起こしているなら、何か問題がある。
足を屈伸したり、伸脚するだけでも背中の筋肉はストレッチされる。正座すれば足の筋肉がストレッチされる。それが、腰から背中、肩へと影響する。その時に背中を後ろに倒れるくらい反ると効果が更に高くなる。
あぐらを書いた状態で、両膝を上に上げ下げする動きもストレッチになる。
歩く時は、膝を使って歩く。膝を前に出す意識。そして、それを支えるのは腰と骨盤にある筋肉の働き。この状態を意識すると背中の緊張は緩和される。
体がリラックスするのは意識では出来ない。なぜなら緊張には理由がある。その原因を取り除かない限り、無意識はこれを働かせる。
意識が力を抜こうとしてもそれでは体を支えきれないなら無意識はその命令は上書き(Override)して無効にする。それを開放したければ、原因を取り除き、無意識の命令を停止するしかない。
その為には、別の場所でそれを肩代わりさせるしかない。弱い筋肉、弱い構造よりも、より大きく、最大の力を持つ場所に振り替えるのがいい。それを見つけるのは簡単ではない。試行錯誤して探し出すしかない。
このような姿勢の違いが、ゴルフスイングに影響しないはずがない。