左手首の話し。
手の延長上に何かしらの道具を持つ運動というもの、ゴルフ、野球、テニス、やり投げなど、手首が重要な役割をしていると思うのだ。
手首は体の中ではどちらかと言えば弱い部分である。そこは自在を得るための構造であって、重いものは体の中央で支えるのが道理であって、手首や足首は、物との接点として柔軟さや角度などが求められる。
さて、それでも筋肉が与えたパワーを何倍にも増幅して(道具がもつ重さやしなりが生み出す力)、ある運動をするのが道具である。それが正確にかつ十分なパワーを伝導するには幾つかの大切な部分がある。
今回、思ったのはそれのひとつが手首という事だ。手首の角度を変える事で腕の筋肉は伸びたり縮んだりする。
雰囲気として伝えるなら、スイングは、肩と手首の間(腕)が十分に伸び切る事が重要であり、腕が伸び切る事で、後ろにあったクラブは、まるで手首を中心点のように回転をして前に出る。
腕が十分に伸びていなければ、固定化されないため方向性があやふやになり、また腕がサスペンションとなって力を吸収するのでパワーが伝わる前に削がれてしまうのではないか。
テニスや野球ではボールの位置が打つたびに変わるので常に肘が伸び切った状態で打てるわけではないだろう。だが手首の重要性は少しも変わらないと思われる。
スイングは筋肉でやる仕事ではない。十分な加速が与えられた道具はもはや筋肉で止めたり加速できるような運動ではないので、ただ軌道を狂わせず減速させずに打ち抜くよう努めるだけである。
打ち抜くのは短いショットでも同じだろう。クラブは振り抜かなければならない。そこが面白い。距離と方向を正確にしたければ、手でボールを持ってその場所に置くのが最も確かだ。
だがその感覚で打つのは止めた方がいい。打ち抜かなければ正確さが落ちる。置く様に打とうとすればスピードが落ちボールに当たった衝撃に負けてしまい軌道が狂うだろう。打ち抜くなら、置く様に打つなど出来ない。
経験は重要だ。この程度で打てばあの辺りに落下する。転がりはこの程度というのを知っておく必要がある。ボールを手にとって置くなら経験など必要ない。しかし打ち抜くなら経験から距離を知っておく必要がある。
さて、コースにはコースでの楽しみがある、練習場には練習場の楽しみがある。そのどちらも面白い。ゴルフは面白く、そして上手く行かないように出来ている。