我に足場を与えよ、されば地球を動かさん。
これは言ったのはプラトンか、ピタゴラスか。
梃子の原理は原子力を除けば最強の物理力であろう。よってゴルフスイングに於いてもその原理は応用されているに違いない。
梃子の原理は、支点・力点・作用点である。作用点はボールであり、力点は重力も含めた総合的な力である。では支点が何処か。そのひとつとしてグリップであると言う仮説を提唱したい。グリップを包み込む手の平である。もしそうであればグリップは支点として成立するような持ち方が要請される。
(注:支点の位置については複数の梃子が複合して様々な場所が考えられる。)
さて 5 ~ 15 ヤードの近距離を打つにも打ち方がある。スイングとしての色々な制約、トップの高さ、重心の位置、力加減、でもこれらは全て忘れていい。クラブを後ろにやや引いたら、それが小さいながらもトップ位置となるのだが、そこから左肩から動かせばいいだけである。
スイングでトップを作った後にショットの開始は左肩から始めるのである。それ以外はそれを契機として動き始めればよろしい。大きなスイングになるとそれ以外にも気を付ける事が増えるのだが、小さなスイングではそれらの影響は極小となり無視できるようになる。
左肩から動き始めれば十分なスイングとして成立するのである。左肩が動き始めれば他は連動するのだから、イメージとしては最後まで左肩の意識で十分である。この左肩からスィングを始めるというのは小さなショットの時に思い出して欲しい。
さてスイングはそれだけではない。スイングのイメージとしてボールに当たる瞬間にどれだけ鋭角であるか、がある。これはトップまでの軌跡をスイングでなぞる訳ではないという事だ。トップは自分がしっくりくる軌道を通って上がれば良いが、その来た道を帰ってゆく必要性はない。
トップ位置からボールの点まで、ヘッドがフラフラとしていては力が分散する。体の全ての力が鋭角的に集中するイメージがある。ボールとクラブが当たる瞬間に、一番伸びている、というイメージでもある。腕の伸び切っているのだから底辺が同じ(肩幅は同じ)なら腕と肩とで最も鋭角的な三角形を作っている。
ボールのある場所はクラブの運動から見れば軌跡の通過点に過ぎないが、スイングから見れば其の点こそが最高到達点である。最大のパワーが与えられるべき場所である。
スイング中のどこに最大パワーを置くべきかは探求に足るテーマだが、そういう厳密な物理学は昨今の大学生に任せるとして、ボールにヒットする瞬間が可能な限り最大と思っておけばよい。
この時に手が曲がったり重心が左側にあるよりも、腕は伸びている方がよいだろうし、重心も右側にある方がよいだろう。
クラブと体が離れ過ぎていると力が入らない。脇を締めるというのがスポーツのコツのひとつであるのも、
脇が開くと力が入れられないからである(力むと肩に縮まる)。
体から腕が離れるほど腕の重さが慣性によって体の動きに影響を与える。例えばチータが走行中のバランスをしっぽで取るように、重心から離す事でその力の影響力は小さな重さでも影響を大きくする事ができる。ゴルフのスイングでは力を集約させたいのだからな体から離すのは力の分散になる。
いずれにしろ始動は左肩から。もう少し厳密に言えば左腕の付け根少し下くらいから。
Eureka!