もうあれから数日経っているのに、僕は練習場に通い続け、目の前には、木々の群れ立つ林がある。左側には池があり、右にフェアウェイをおき、目の前は枯れかけた芝生が拡がっている。その奥に見えるのは、フラッグ揺らめくグリーンだ。
あれだけ人を不快にさせておきながら、2万もの大金をむしり取るとは、許せぬ。
ホウライよ。汝の敵はゴルファーと知れ。いつか征服した暁には、燃やし尽くしちゃる。
スィングがなんだ、気持ちの持ち方がなんだ。そんなものを弾き、跳ね返し、打ちのめし、地べたに屈服だ。芝生と傾斜だけの存在のくせに、とんでもないことしてくれやがる。
攻略?
攻略することに価値があるんじゃない、屈服させなければ許しやしない。正面から、中央の芯を打ち破らなければ、どうして立ち直れようか。
スィングを磨くか、メンタルを鍛えるか、体力を付けるか。それがなんだ、そんな練習して打ち勝った所で何になろう。なろう、なろう、あすなろうなんかじゃないんだ。あのコースに潜む魔物を、それを隠している、芝生を、林を、丘陵を、池を、枯葉を、砂を、風を、空を、全てを白日のもとに晒し、打ちのめしてやる。
ホウライこそは許さん、決して許さん、必ず許さん。
「希望の橋は地獄へと続く、絶望の橋は家路へと続く。」
利根川橋を越えてホウライへと向かった、利根川橋を渡り家路についた。次こそは、絶望に落ち込まぬ、せめて、悔しいとか、惜しいとか、その辺りで・・・